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いつも誤字報告ありがとうございます。

 ホームから転移で街へ飛んできた。

 メギーアー女王様の巣から出るときにPTを組み直して私は今シュティ達と同じPTにいる。


『今作業が終わって街に着いたけど…、どうしてるかな?』


『ユキ、凄いわ!どんな格好してても異人だからですまされるのよ。コスプレし放題ね!』


 何故か変なところで嬉しそうなシキ姉さんの返事が来た。

 そういえば現実だとコスプレして街中は歩いちゃダメなんだったっけ?


『妖精さんの方は早かったですね』


『うん、女王様に地図を見せて相談しようと思ってたけど一緒に来てくれたんだよ』


『スノウちゃん。右のあのお店、生地の色が良さそうじゃないかしら?』


『確かに色合いが良いですわね』


 PTチャットで話しかけたらシキ姉さんの勢いが凄い。


『あ、ユキ。悪いんだけど、もうちょっとお店見て回ってから合流でも良い?』


『いいよ。でもあまりシュティに迷惑かけちゃダメだよ』


『大丈夫よ。あ、あっちのお店…』


『妖精さん、こちらの事は良いので先にギルドの方を済ませてきてください』


『そうだね…。それじゃ、また後でね』


『えぇ、また後で』


 シキ姉さんはしゃいでるなぁ…。

 とりあえず私はギルドの方に報告してこようかな。

 ギルドの入り口をくぐって中に入る。

 相変わらずカウンターは列が出来ているけど担当している職員さんの人気なのか偏りがある。

 私はどこでも良かったので人の少ないところに並ぶ。


「今日は何のご用でしょうか?」


「えっと…、受けていた指名依頼の報告に来ました」


「確認させて頂きますね」


 そう言われて私はギルドカードを取り出して読み込ませる。


「……はい。確認いたしました。ルガードさんを呼んできますので個室の方へお願いします」


 そう言って案内をしてくれる。

 個室に入るのは慣れたモノでいつもの様にテーブルに座った。

 私が座ってすぐに扉が開いた。

 入ってきたルガードさんは壁の魔道具を起動させた。


「おう。嬢ちゃん報告だってな。思ったより早かったが何かあったか?」


「女王様監修の元、道の整備をし終えたので報告に来ました」


「もうできたのか…?」


「獣道みたいな感じなので、きちんとした道ではないですけどね」


 そう言うと考えるような仕草をする。

 ガシガシと頭をかくと私の方へ向く。


「わりぃが確認のために俺を連れて行って貰うことは可能か?」


「えっと…、すぐですか?」


「都合に合わせるが早い方が都合は良いな」


「ちょっと待ってくださいね」


「おう」


 とりあえずシュティに相談してみよう。


『シュティ、作った道の確認がしたいらしくてルガードさんに案内して欲しいって言われたんだけど…』


『案内と言うことは虫エリア1のボスを倒して作った道を確認しながら巣にいく感じですか?』


『うん、そうなると思う』


『戦力的には私と妖精さんだけでも最悪問題はないと思いますけど…、お二人はどうしますか?』


『虫エリア1のボスは大きなムカデだったでしょうか?』


『はい、アーマードセンチピードですね』


『ユキが見せてくれた写真にあったわね。そもそも戦闘になるのよね…?』


 そういえば元々シキ姉さんは戦闘をしたくないと言ってた。

 ならスノウさん次第だけどシュティと二人かな。


『そうですね。シキさん戦闘は?』


『やりたくないわね…。もし避けて良いなら避けるわ』


『わたくしもムカデはちょっと…』


『なら私とシュティで行こう』


『わかりました』


『ユキ、シュティナちゃんごめんね』『申し訳ございません…』


『ううん、大きいから余計に気持ち悪いし無理に行かなくて良いよ。その代わり服を期待してるね』


『それは任せなさい』『楽しみにしていてくださいな』


 PTでの話が終わったのでルガードさんの方を向く。


「で、どうすんだ?」


「私とシュティの二人になりますが良いでしょうか?」


「おう、それは構わねえよ。急なのにすまねえな」


「いえ。そういえばチームに新しく人を入れたいのですけど職人ギルドの方をここでも加入させれますか?」


「おう、カードは共通だから問題ねえ。なら書類を揃えておくか」


 そう言うとルガードさんは魔道具を切って部屋を出て行った。

 しばらくすると戻ってきたルガードさんは3人と一緒だった。


「丁度持ってくるときに嬢ちゃん所のヤツが来たんでな」


 そう言って皆が部屋に入ってイスに座るのを確認してから魔道具を起動させた。


「んで、新入りさんはそっちの…エルフか」


「あら、エルフだと何かあるのかしら?」


「ねえな、ただ嬢ちゃんに似てると思っただけだ」


「それってユキのこと?姉妹だから似てるのよ」


「姉妹…?相変わらず異人はよくわからねえなぁ…。それよりもこいつが書類だ」


 シキ姉さんに書類を差し出した後。私の方にお金の入ってると思われる革袋を2つ差し出してきた。


「これは?」


 何で2つあるかわからなくてルガードさんの方を伺う。


「片方は前回の雰囲気が悪かったろ?そん時報酬渡さずに仕事に戻っちまったんだよ。それに後で気づいたんだ、悪かったな。もう一つは今回の報酬だ」


「いえ、私達の方こそルガードさんのお話は参考になりました」


「そう言ってくれると助かる」


 話をしてる間に書き終えたようで母さんが書類を渡していた。

 それをサッと確認してからカードの更新をしていた。


「一応冒険者ギルドにも登録されるが別に依頼は強制じゃねえから気にしなくていい。まぁ気になった依頼がありゃ職員を適当に捕まえて確認してくれ」


 ルガードさんに言われて頷くシキ姉さん。


「まぁチームに入るから必要ねえかもしれねえが、依頼をすることも出来るぞ」


「そうなのね、親切にありがと。何かあったら相談に来るわ」


「おう、それで嬢ちゃんどうする?」


 私に確認をされたので巣へ向かうことだろうと気づいた。


「ギルドを出たところで2人と別れて向かおうと思います」


「わかった。ちょっくら準備してくるから先に出てな」


 そう言われて頷くとルガードさんは荷物を持ち魔道具を切って出ていった。

 私達はギルドを出て噴水の所へ向かう。


「じゃあ先に戻ってるわね?」


「うん、一緒に街回れなくてごめんね」


「そんなのこれからいつでも出来るわよ」


 シキ姉さんにそう言われて確かにと思って頷く。


「じゃあ気をつけて行ってきなさい」「ご武運を…」


 PTから抜けた2人はそう言って転移装置でホームに戻っていった。

 ギルドの方へ戻ってみるとルガードさんがいた。

 その恰好は金属鎧に金属の兜、左手には円形の金属盾をつけ背中には大きな両刃の斧を背負っていた。


「ラブリュスですか」


「おう。ずっと使ってきた相棒でな」


 シュティに聞かれると嬉しそうに構えて見せる。

 兜の左右にある2本の角は片方が折れており、他にも多くの傷跡が残る装備を見ると歴戦の戦士なのだろうと思えてくる。

 サボって寝ていた姿とは違い格好良く見えるね。


「嬢ちゃん今失礼なこと考えなかったか?」


「そんな事ないですよ」


 笑ってそう言うがルガードさんはしばらく睨むように私を見た後溜息をついた。


「まぁ、とりあえず行くか」


「「はい」」


 ルガードさんは街を出ると私達の一歩後を付いてきている。

 分かれ道を西に進み昆虫エリア1と呼んでいる森に入っていく。


「ここへ来るのは久しぶりな気がしますね」


「そうだね~。あの時は匂いに釣られて歩いたんだっけ」


「えぇ、それでスピアハニービーを見つけたんですよね」


 ルガードさんは会話に参加する気は無いようで無言のままだ。

 私達は見つけた薬草などを採りながら歩いて行く。


「……嬢ちゃん達はいつもそんな感じなのか?」


「えっと、そうですけど…。おかしいですか?」


「この森は背が高くて太い木も多い。段差になってるところだってあるし草木で死角が出来やすくて危険だ。それなのに嬢ちゃん達は警戒してないように見えるからな」


「あー…」


「それは異人の能力の1つに数メートル範囲がわかるモノがあるんです」


 ルガードさんの言葉に私が言葉を濁しているとシュティが説明をしてくれる。

 マップのことだよね。


「それで周りの一定の存在ならわかるんですよ」


 一定と言ったのは小さな虫や動物はマップに映らないんだよね。

 最初の頃は私はマップを見てなかったから気づかなかったんだけどコッコも映ってなかった。

 検証班の人達の考察だと魔力量も関係してるんじゃないかという。

 詳しくはまだわかってないみたいだけどね。


「そうなのか…。ここらには魔物は居ねえのか?」


「いますよ。あそことか」


 そう言ってシュティは森の中の一角を指さす。

 そこには結構大きな芋虫がいた。


「成虫もいるのか?」


「見つかることもあります。けどこの辺にいるのは攻撃をしかけない限りは襲ってきませんね」


「なるほどな…」


 納得できたのかルガードさんは頷きながら顎に手を当てて周りを見ていた。


「詳しく知りたいなら検証班のチーム…、ネルア・ジャーナル所属の異人に聞けば喜んで応えて貰えるかと」


「あそこかぁ…、悪いヤツらじゃねえんだけどな…」


 以前調さんを呼んで押しつけてからどうも苦手意識が出来てしまったようだ。

 アレは申し訳ないことをしたと思いはあるけど、私のせいじゃないはず。


「もう少し進むと先に進むのを妨害してくる敵が出るので戦闘になります」


「わかった」


 それからはルガードさんに素材を傷めない採取方法や見つけれていなかった素材を教えて貰ったりしながら進んでいった。

 そして少し開けた場所が見えてくる。


「この先で戦闘になります」


 シュティがそう言うとルガードさんは気を引き締めたようで真剣な表情になる。


「ルガードさんは後ろに…」


「おいおい、嬢ちゃんそれは無いだろう。俺だって戦える。最近書類仕事が多くてストレスが溜まってるんだよ」


 私の言葉を遮ってそう言うと、背負っていた武器を手にしていた。


「多分出てくるのはアーマードセンチピードです」


「多分ってのは何でだ?」


「希に特殊個体が出るそうです」


「あー、何だ…。火に耐性があるクリムゾンセンチピードだったか?」


「そうなんですか?」


「確か発見報告があった気がするが…」


 そう言いながら2人は周囲を警戒しながら進んでいく。


『ルガードさんいても赤い結界って出るのかな?』


『出るみたいですよ。プレイヤーの近くにいる住人も一緒にいたらボスエリアに入れるらしいです』


『そうなんだ。ありがと』


 問題はないみたいなのでちょっと安心した。

 私達だけ戦闘になってルガードさんは通り抜けれるようだったら別々になっちゃうもんね。


「開幕後私は動きを鈍くする魔法を使いますね」


「左から攻撃します」


「俺はどうした方が良い?」


「右側の足を狙ってください」


「おうよ!」


 進んでいくと赤い光が辺りを覆っていく。


「なんだこれは!?」


「私達がボスと呼んでる魔物と戦うためのフィールドです。逃げれないですし、倒すか倒されるまで消えないはずです」


「そんなのもあるのか。面白えな!」


 前方から来るのは特殊個体ではなくアーマードセンチピードだった。


 私は浮き上がり魔法を唱え始める。

 シュティとルガードさんは左右に分かれて攻撃をしかけていく。

 アーマードセンチピードは鋭い顎でシュティを噛みつこうとすると同時に、多く巨大な足でルガードさんを踏みつけようとしていた。

 ルガードさんは盾で鋭い足による踏みつけをそらしなら、手にした斧を振り足を切り落としていく。

 シュティは上手く関節を切っていくのに対して、ルガードさんの武器は甲殻をモノともせず切り落としていく。

 力任せに見えるけど武器も良いモノなんだろう。


「いきます。《ブリザード》!」


 私が言うと同時に2人は少し距離を取るとアーマードセンチピードは2人を警戒してかグルグルと回りながら顎をギチギチと鳴らしていた。

 2人を警戒をしていたせいか、私の魔法を避けることなく身体を白く染めていく。

 それにより熱を奪われて動きが鈍くなる。

 シュティはそれを見て走り出し次々と足を切り落としていく。

 ルガードさんはシュティが足を切ったことで身体が傾き腹が見えているところに近付くと、持っている斧でフルスイングをした。

 それによりアーマードセンチピードはひっくり返ってしまった。


「きゃっ!」


 シュティは足を切っていると急にアーマードセンチピードがひっくり返ってきたため、可愛らしい悲鳴を上げ驚いて離れていた。


「がはは、どうだ!嬢ちゃん見たか」


「ルガードさん今のは流石にびっくりしたんですが!」


「可愛らしい悲鳴だった、な!」


 2人は言い合いをしながらも近づき攻撃を加えていた。

 私は以前と違い氷柱を立てるのではなく、詠唱していた魔法を放つ。


「《チェーンバインド》」


 影から現れた鎖がアーマードセンチピードに絡みついていき動きを制限していく。

 ひっくり返った状態で動きを止められてしまったアーマードセンチピードは為す術もなく2人に攻撃をされて光になって消えていく。


「ふぅ、久々に身体を動かすのは気持ちが良いな!」


「それは良いのですが、もうちょっと周りを気にして頂けると…」


 ルガードさんは落ちていた素材を拾っていく。


「出たのは甲殻が数枚と毒か。相変わらずなんで容器入りで出てくるんだか…」


 アイテムボックスを見てみると私の分の素材はいつも通り入っていた。


「それはルガードさんの分のようですので好きにしちゃってください」


「そうなのか?なら遠慮なく酒代にでもするか!」


 そう言って嬉しそうに腰に下げた袋にしまっていくルガードさん。

 モノを入れたのに見た目が変わってないから、ついついその袋を見てしまう。


「ん?これか。魔道具の1つで嬢ちゃん達が使うアイテムボックスの魔法みたいなもんだよ」


「そんなのもあるんですね!」


 私達はワイワイと話しながら先に進んでいく。

 そして昆虫エリア2と呼んでいるエリアに入ってすぐのセーフティーエリアに到着した。

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