二勝 ー帝明高校バスケ部ー
第2章 ~帝明高校バスケ部~
「お~い!涼ちゃーん!はやくはやく!遅れちゃう!!!」
春の暖かくて眩しすぎない丁度いい陽光。僕はすぅっと深く息を吸い込んだ。
帝明高校新3年。杉浪 涼太。あの時の病気も今はすっかりなくなっていた。腫瘍という腫瘍もない。僕は病気に勝つことができた。今では帝明高校のバスケ部キャプテン。そして、U-18にも選抜候補となっている。あの時から僕は人の倍以上練習を積み重ねてきた。
「ねぇなにぼぉっとしてるの?春だからってポケッちゃだめだよ!」
そこのさっきからうるさいのは僕の幼馴染みであり親友でもあり家族も同然である存在。
明石 陽太。同じく帝明高校のバスケ部で、僕と同じU-18選抜候補。陽太は、学校で1~3位に入る頭脳の持ち主。そのうえルックスもよく、背も189㎝というなんかできすぎちゃってる感じなため女子にモテる。が、こいつ僕への当てつけか何かなのか彼女を作らない。
「涼ちゃん、また背、縮んだ?」
「縮んでねぇよふざけんな!」
僕は159㎝という女子並みの身長でなかなか伸びないし、テストも平均的。こいつとは張り合いにも何にもならない。
「あと、2・3か月でインターハイだねぇ。」
「そうだね。なに?陽太不安なの?」
「...うん。ちょっとね。」
「今から不安オーラ全開やめろよ~」
「でも...もし僕がミスっちゃったらってこと、想像しちゃうんだよ...」
「その時は、僕がついてるんだから!それに陽太はいつも頑張って練習してるじゃんか!きっと大丈夫だって!」
「でも僕、まず出れるかもわからないし...」
「弱気になるなって!この調子でもっと練習すればいいんだよ!僕も一緒に練習するから!な?」
「涼ちゃん...ありがとう!僕、頑張るね!」
「うん!小学校の時からの夢、叶えような!」
「うん!」
それから僕と陽太はみんなが帰った後も残って練習をしていた。そして、出場する選手の名前が発表される日が来た。
「じゃあ、まず1番。涼太。」
「はい。」
「2番...3番....5番、板橋。」
1から5番の中に陽太の名前は、なかった。
「ごめんね、涼太...」
「...大丈夫?」
「ううん、今日は先に帰るね...」
「...あ、言い忘れてた。明石 陽太。」
「は、はい!」
「補欠は陽太だぞ。だからこれからはスタメンと一緒に練習してもらうからな。頑張れよ。」
「あ、安西先生...!ありがとうございます!!!」
最後に奇跡が起こった。




