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卵に導かれ[起]  作者: kunio
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出会い

皆様、よろしければご覧ください。

初投稿作品です。

それは突然に思い付いた。

本当に突然だった。ふと、気になったのだ。そして、気になり出すと思いは止まらず、ついには、十日ぶりのちゃんとした休みであった今日、重い体をゆり起こし、布団から這い出ると、その白い箱状の物体を開いた。中は、むしむしと暑い周りの空気とは違い、ひんやりと冷えていた。そう、その物体は冷蔵庫。

「しばらく掃除してないよな~」

しばらく、と言ったが、その前はもう記憶にない。ほんの最近のような気もしたが、かなり前のような気もする。

始めたら、流れるように進んだ。まずは冷凍室。前に置いてあったものから、賞味期限を確かめていき、切れていなかったら戻し、切れていたらごみ袋へ。その繰り返し。そして、それは、下の段の冷蔵室にも及ぶ。あらかた、終わると奥であるものを見つけた。少し茶色くなっていたその丸いものは、卵であるようだった。賞味期限を見てみると、ぎょっとした。五年も賞味期限が過ぎていたのだ。

すぐに捨てようとしたが、ある思いが胸をつき、ごみ袋へと伸びた手を止めた。

これ、潰れたら、むっちゃ臭いんじゃ?

そう思ってしまうと、ごみの回収業者さんにものすごく申し訳なく感じてしまい、ごみ袋へと向かっていた手を止めてしまった。不意に思いつき、耳の近くで振ってみる。からからと音がした。それは、卵の笑い声であるかのように感じ、そう感じた自分に笑ってしまった。

割ってみたら、どうなのだろう?かなり危険な行為だ。何が飛び出てくるかわからない。中のものは、卵のように思えて、もはや、卵であった何かなのだ。けれど、一度思い付いた好奇心はぶくぶくと膨らみ、やがて時を置かず弾けた。

まず、使い捨てのマスクをした。その次に、しばらく、開けていなかった掃除道具をいれた棚の中からごそごそと探しだしたゴム手袋をはめた。お皿を使うのは何だかもったいない気もしたが、中の不思議物質をよく見てみたくて、白色のものを選んだ。

準備は整った。時は満ちたのだ。

机の角にこんこんと優しく叩くが、思いの外ヒビは入らず、次にもう一度、さっきよりも強く叩いた。茶色い丸い卵に線が入る。そして、皿の上に持ってくると、意を決して割った。

それは、思っていたものとは、大きく違った。

緑だったのだ。しかも、キラキラとした。エメラルドを彷彿とさせた。

腐っているであろう卵の中身をエメラルド、なんて変な話だ。しかし、そう思ってしまったのだ。ゆっくりと触れる。それは、固くもなく、かといって柔らかくもなく、スーパーボールのように弾力を持っていた。持ってみる。軽い。床を転がした。ころころと壁にぶつかり戻ってくる。壁に投げてみた。

すると―

「痛い!」

体が固まった。一瞬聞き間違いかと思ったが、その物体は

「痛いじゃないか」

じりじりと暑い室内でも、あまり汗をかかない私の額に、汗が浮かんだ。唾液を飲み込む。耳を澄まし、目を凝らして、それを見つめると、その緑にはブラックホールかと惑うような黒い穴が開いたのだった。

続く

皆様、ご覧いただき、ありがとうございました。

稚拙な文章で、申し訳ありません。続きは近々投稿しようと思いますので、お待ちください。そして、次回も見ていただけたら、幸いです。

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