3.初めて…だった。
「はぁ…」
彼方は今、溜め息をつきながら学校へと向かっている。
何故彼方が溜め息をついたかと言うと、昨日の出来事があったからだ。
あの女、神無月式ノがあの学校にいる。
そう思うだけで彼方のテンションは最大まで下がっていた。
「くっ…」
最悪だ。
青春したかった相手が大嫌いなあいつ…何て…。
「あぁもう嫌だー!!学校行きたくねぇ!!」
彼方は自分の頭をかく。
「か~な~た~く~ん…」
「ハッ!!!!」
俺の肩にぽんと手を置き耳元で呟いたのは…あいつだった。
「あ…ああ…あ…」
ゆっくり後ろを向く。
「式ノ!?!!!?」
神無月式ノがいた。
「ねぇ…彼方君…私と気持ちいい事…しよ…?」
「それって確実に俺にとっては気持ちいい事じゃないよね……?」
「大丈夫、ただの私なりのセックス(暴力)だから!」
「もうちょっとオブラートに包んでくれませんかね!?」
「ただいじめるだけだから」
「全然オブラートに包めてねぇ!!!!」
こいつやっぱりイカれてる…理解が出来ない…。
だいたい何でいじめる事がセックスになるんだよ!?
わかんねぇ…こいつの考えてることはひとつもだ…。
「な、なぁ式ノ……」
「なぁに?」
「もう俺に関わらないで欲しいんだけど…」
「い・や!」
ですよねえぇぇぇぇぇえ!!!
「そもそも…」
「ん……?」
俺が疑問に思う。
「彼方君に拒否権ないから!」
「え…?」
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 ̄ ̄ ̄
 ̄
なんだ…この状況…。
「あの~式ノさん…」
「なぁにぃ?」
「この縄ほどいてくれませんかね?」
「嫌だ!」
「ふざけんなよ!!もう授業始まってるし体躯倉庫で俺現在監禁中ってどゆこと!?」
現在。
俺は式ノに何をされたか一瞬の事すぎてわからないが30分俺は気絶していたらしい。
そして体躯倉庫で腕を縄で縛られてる。
「うう…」
嫌だ…今のこいつと一緒とか…
まだ昔の式ノの愉快な仲間たちにいじめられた方がましだよ…
「それじゃあ彼方君…」
「ヒッ!!」
あぁ…神様…
俺の人生ここで終了ですか
「ん!」
ね……?って…え…?
一瞬俺の前に靡く綺麗な黒髪が見えたと思ったら…これって…どういう状況…?これって…キスって奴だよな…?
「んん…ん…」
「んっ!」
ちょっと待て!!
やめろ…舌を入れてくるな…。
「んん…」
何だこれ…力が抜ける…これじゃあ…されるがままじゃないか…。
「んー!ぷはぁ…」
彼方の口が解放された
「おおおおおおま!?」
と、思った。
「ん!!!!」
まさかの第2ラウンド!?!?!!!?
ちょっと待てって…
俺…ただてさえ初めてなのに…
こんな風にされたら…流石にやばい…
「んー!ん~…んん…ん…」
彼方は何も出来ずに式ノの舌の上で踊らされているばっかだった。
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 ̄ ̄ ̄
 ̄
「ん…ぷはぁ…はぁ…はぁ…」
彼方はずっと式ノにキスをされていたせいで汗だくだった。
「お前…俺…初めてだったんだぞ…?」
「はぁ…はぁ…大丈夫…」
式ノは笑いながら言う。
「私も初めてだから」