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青春したいのに青春出来ない俺の日々。  作者: あだち りる
第三章「いじめっ子といじめられっ子の友情は成立する。」
24/44

24.求めている人と求めていた人。

「よし!」


俺はいつも着ないような自分なりのいけてる服を装着。

ふふふ…これで蓮野の隣を歩ける位にはなったろう。

何の話しかって…?

おいおい、そんなの、蓮野とのお祭りに行くに決まってんだろうが!!


ふはははは!!

これで俺もリア充の仲間入り…。

いやまぁ付き合ってる訳じゃないんだけど…ここまで来て蓮野の事を女の子として見てないって言ったら嘘になるんだけど…けど、やっぱり蓮野の事をそれ以上に見れないんだ。

こんな奴が近くに…側にいていいんだろうか…。


「…やっぱり俺は馬鹿だな…」


そんな言葉を部屋に置いて俺は蓮野の元へと足を運ばせるのだった。


お祭り。

人はそれを楽しいイベントと思うんだろう。

ルンルン気分で向かうのだろう。

だがしかし、昔の俺は、お祭り何て言うイベントはただたこ焼きが食えるところとしか思っていなかった…。

だがそれが…それがだ…。

今、俺の隣に浴衣美少女がおるのだよ!


「ねぇねぇ彼方!この浴衣どう?」


うぅ…やばい…最近感動ばっかしてる…。

そもそもこれは本当に現実なのか?

こんな青春イベントが俺に有り得るのか?


「彼方ー?おーい!」


そうか、もしかしたら俺は夢を見てるのかも知れない。

それかきっと幻覚なのだろう。

そうだ!そもそも蓮野余波と言う美少女は俺の空想上の嫁であって実在しないのではないか?そうだ、そうに違いない…。


「ねぇってば!」


「っ!?…あ…幻覚じゃない…」


「え…?何言ってるの…?」


「いや…蓮野は俺の空想上の嫁だと思ってしまった、だけだ」


「ねぇ、私って彼方に振られたんだよね?」


蓮野は苦い顔でこちらに視線を向ける。


「いや…それは…その…」


彼方が視線をそらすと、余波、ふっと微笑み彼方の手を引っ張る。


「お祭り、楽しもうよ!」


「っ…あぁ…そうだな」


蓮野のその笑顔は、昔の、喜美ちゃんの事を思い出させた。

その理由はきっと笑顔のせいだけじゃない。

蓮野が身に纏ってるひまわりの浴衣がその姿を思い出させたのだ。

もしかしたら俺は、あの時の事を謝りたいのかも知れない。

会えなくて、謝りにいけなくて、ごめんって。


俺達は、たこ焼き、リンゴ飴、焼きそば、わたあめ、など食べ歩き。

これぞ青春、これぞリア充。

俺はとうとう青春への道に足をついたのかもしれない。

青春したいけど青春出来なかった日々。

これらが今、今日、この時、もしかしたら報われたのかも知れない。

そう…思ってたんだ。


「蓮野ー次はどの屋台に…あれ…蓮野…?」


俺が後ろを振り返ると、蓮野の姿はそこにはなかった。


 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

 ̄ ̄ ̄

「蓮野ー!!」


俺はいつの間にか走っていた。

宛がある訳でもなく、蓮野を探すために。

けど、見つからない、そして段々と周りから音が消えて行く。

人のざわめき声…お祭りの愉快な音楽…鈴虫の音…と。

順番に音が変化した。

だが、蓮野の姿はなかった。


「たく…あいつ何処行ったんっ…」


その瞬間だった。

俺の足は、声と共に止まった。

俺が止まった理由は簡単だった。


いたんだ。

今、求めている人物ではなく、求めていた人物が。

電柱の光がその人物を照らしていた。

何故今俺の前に現れたのか。

何故今なのか。

何故、このタイミングなのだろうか。


「彼方くん…」


神無月式ノが、いたんだ。

式ノがいつもとは違った。

悪魔の笑みでも、人を馬鹿にするような笑みを向ける訳ではない。

そう、その顔に、笑みなんて物はなかったんだ。

俺に向けたのは一つの、殺意だった。

読んでくださりありがとうございます!

最近思うことがあります!

神無月式ノと言うキャラについてなんですけども…このキャラ好きな人いない気がしてきた…。

ちなみに自分は結構好きですw

それでは自分はこれで失礼します!

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