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青春したいのに青春出来ない俺の日々。  作者: あだち りる
第二章「いじめられっ子の復讐は青春に繋がる。」
13/44

13.金髪、眼鏡、ボサ子。

さて…どうするかな。

この状況、クラス全員の視線が暑いぜ。

あぁ…四年ぶりだなぁ…この感じ。

んじゃまずは、


「なぁ!これやったの、誰?」


俺は出来る限りのクラスメイトに視線を向ける。

ん~…やっぱ視線をそらすか。

んまでも、さっき笑ったあそこの三人の女子ってのはもうわかってんだけどな。


眼鏡のかけてる奴が一人。

金髪が一人。

ボサ子が一人。

うむ、なかなかにゲスい笑顔だ。

人の不幸を笑うとき、それは自らが動き、その相手が困っている時だ。

こんなの誰でもわかる。


「ふぅ…」


まぁいいか。

今は泳がせとこう。

式ノの居場所がわかるかも知れないしな…俺はこの山を越えて、青春と言うパラダイスを求めに旅に出てやる。

覚悟しとけ、式ノ。

本気になった俺を舐めんなよ!!


彼方は気合いを入れてガッツポーズ。

そして俺は机をピッカピッカにした。

四年前の机ピッカピッカスキルは今だ健在のようだ。

そして四時間授業を受け、放課後。

トイレに行き教室へと戻った後机の上に白い一枚の紙が置いてあった。


「ん?」


その紙に書いてある内容を読む。


「…」


放課後、体育館裏に来い…ねぇ。

なかなかに可愛い丸字だ。

てか、いくらなんでもこの呼び出し王道すぎねぇ?展開は読めるけど…ま、行ってみるか。


そして、放課後。

退屈な授業を終え、体育館裏へと俺は向かった。

いやぁ…嫌な展開が待っていそうだ。

胸ぐらとか掴まれそう。

そんなこんな嫌なことを考えている内に体育館裏へと到着。

物凄くじめじめしてて嫌な雰囲気だ。


「ん?」


ふと地面に視線を向けると、ばってん印が地面に刻まれていた。

なんとなく俺はばってん印の上に立つ。

いやぁ、何かこう言うの中学の卒業式を思い出して立ちたくなるぜ。

その瞬間だった。

バシャッ!!と、思いっきり音を立て、俺に覆い被さるようにかかる。


「…」


彼方は棒立ちだ。

服がビショビショだ。


「ははは!!」


と、上から笑い声。


「どう?目、覚めた?」


一人の金髪の女が二階からそう言う。

そして再び三人の笑い声。

あぁ…この感じ、マジで懐かしいな。

まぁそんな楽しい思いでじゃねぇけど。

本当、昔の俺じゃなくてよかった。


「おい、そこの女三人」


俺は二階から見下ろしている三人を見上げ指を差しビシッと言う。


「そこ動くなよ…?今そっち行ってやっからなぁ!!」


「な、なにあいつ!?聞いてた話と違うんだけど…」


と、金髪の女が少々同様を見せるなか俺は奴等がいる二階へと向かう。

そして二階に到着、廊下で彼女等を発見。


「お」以外だね。

逃げてない、正直さっさと何処か行くと思った、ま、俺にとっては有り難いが、式ノの居場所がわかるかも知れない。

恐らく彼女等は何か理由があるのだろう。

俺をいじめる理由。

買収か、それとも弱味を握られていて無理矢理か。

それか自主的にやっているか、これに関しては有り得ないだろう、俺は彼女等と話した事すらないのだから。

もしこれで自主的にだったらとことんその理由を聞いてやる。

そしてその後に号泣してやる。


「おいてめぇら、誰に頼まれてやった?」


俺は女三人に問い掛ける。


「別に!私達が勝手にやった事だし!」


と、金髪の女が言うと眼鏡が「そうだよ!」そしてボサ子も「私達が勝手にやってることだよ!」と、乗っかるように台詞に上乗せ。


「はぁ…」一つ彼方は溜め息をつく。


まぁ簡単に白状するとは思ってねぇよ。

だから、卑怯かも知れないけど、手段は選ばねぇ。

俺はゴソゴソっとポケットからスマホを取り出す。

そして、奴等に三人にスマホを翳し、カシャッと言うシャッター音を鳴らす。


「んな!?泉お前なに撮ってんの!?」


金髪の女が慌てるなか他二人も勿論動揺する。

当たり前だろう、写真を撮られたら俺だって動揺なんて隠せないさ。

けど、この後に俺が続ける言葉は正直胸糞悪いから覚悟しといてくれ。


「この写真、使いようによってはてめぇらのこれからの人生に負傷が出るくらいの事は出来るぜ、あることないことネットに書きまくってな」


今時、ネットを使えば大抵の事は出来る。

だからネットってのは効果抜群な言葉なんだ。

本当にこの写真を悪用すればどうにでも出来る。

やれることはあえて言わない。

言ってるこっちが胸糞悪いからな。


「な、なにするつもりよ…け、消しなさいよ!?それ!!」


おっと金髪、その動揺、効果抜群じゃありませんか。

他二名も黙り混んではいるが顔に焦りが見える。

んじゃそろそろ交渉時かな。


「いいぜ、けど、消す変わりにいじめるようにお前らに頼んだ奴の情報を話せ、そしたらこの写真も消してやる」


「だから…そんな奴は…」


まだ隠すか、弱味でもやっぱり握られてそうだな、だが、すまん、ちょっと男の強みを使わせて貰うわ。


「話せ…!!」


「ッ…!!」


俺は睨み付けるように、物凄く怖い低音ボイスを頑張って出してみた。

やっぱり慣れねぇ…けど…これはやりすぎたかな…?すこい怯えようなんだけど。


「わかった…わよ…話すわよ…」


おぉ金髪、やっと折れてくれたか。

なかなかにその表情可愛いぜ。

男は女の泣き顔に弱いと言うが、うむ理解した。


「で、誰なんだ…?」


まだ低音ボイスはやめない。

もしかしたらまだ話してくれないかも知れない、あれも演技かも、まぁそこまでの警戒は必要はないと思うけど。


そして金髪はその言葉をやっと口にした。


「神無月…式ノって言う子に頼まれたの…」


金髪は右目の涙を拭いながら答える。


「…」


どうやら、嘘ではないみたいだ。

まぁこれが俺の聞きたかった答えだし嘘な訳がないんだけどな。

ふぅ、やっと一安心。

そして俺は金髪の方へと歩みより、金髪の頭に右腕を、ポン、と置く。


「サンキュー金髪、助かった!写真はちゃんと消すから安心してくれ」


「ッ…」


彼方は金髪の少女にニコッと笑いながら頭を撫でる。

少女は驚きを隠せていないと言う表情だ。


「ッ!!」


金髪は俺の手を右手で振り払う。


「て、てか金髪ってなにその呼び方!」


「え?いや、俺お前の名前知らねぇし…」


「同じクラスでしょ!?」


あ、そうでした。


「そんじゃ改めて自己紹介」


俺は右腕を金髪に差し出す。

金髪はそっぽを向きながらも俺の手を握り、そして自己紹介をしてくれる。


「私の名前は…蓮野はすの 余波なごり…」


何故か金髪の少女は顔が赤い。


「俺の名前は、いずみ 彼方かなただ、よろしく」


俺と金髪の自己紹介は終える。

他の二人も自己紹介をしてくれた。

眼鏡の方の名前は、篠崎しのざき はる、もう一人の方、ボサ子は、田所たどころ あゆみと言うらしい。

二人とも話してみればなかなかにいい奴ではないか。


そして、話を聞くにやはり式ノは三人の弱味を握っていた。

その弱味がどんな物かまでは言えない、と顔を赤くしながら言っていた。

相当に恥ずかしい弱味ってのだけは理解できた。


「それにしても式ノの奴…他の奴まで巻き込む必要なんてねぇだろ…」


「ねぇ、泉って神無月様とはどんな関係なの?」


「いや、様付けのお前の方が関係が気になるわ」


「いや!これはその…」


口を両手で塞ぐ。

トラウマがまるでフラッシュバックしたような顔だな。


「まぁいいや…えっと俺と式ノの関係…関係ね…ん~…やべ、上手く表せねぇ、んまたとりあえず因縁のある関係とだけ言っておくよ」


「ふ~ん…ま、あんたが苦労人ってのだけはわかったわ」


「蓮野…それはわかって欲しくないのだが…」


俺はひきつった笑顔を浮かべる。

そして、蓮野は真剣な表情を浮かべながら口を開けた。


「泉、何か困ったことがあったら言ってね、出来る限り協力するから、神無月様にはバレない程度にね…」


真剣な表情から青覚めた表情に変わる。


「お、おう…」


こりゃあんま巻き込めないな。


「頑張ってね、泉」


「おう、サンキューな、蓮野」


そして俺と蓮野達は学校を後にした。

三人とも思った以上にいい奴等だった。

いい友達になれそうだ。

そして、この日、俺は三人の友人が出来たのだ。

読んでくださりありがとうございます!!

第二章が始まりましたね!!そして二章からの新キャラ、蓮野 余波、彼女は今後も登場します!

春と歩は、ん~…って感じですねw

そして式ノは一体何を考えているのか…

突然と四年前の続きをしようと言ってそれを本当に実行した、この行動にはどんな目的があるのでしょうか…

今後も青春したいのに青春出来ない俺の日々をよろしくお願いいたします!!


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