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さざめき  作者: min
第一章 狼
5/34

・・・・・・。

 それから。


 とっても楽しい日々が続いた。

 彼女は、名前を波乃というらしい。

 波乃、とかいてハノ。

 彼女とは、とてもよく話があった。


 たくさんしゃべって、たくさん笑って、物凄く仲良くなった。


 だって、彼女は兎だもんね。

 僕と話が合わないはずがない。

 僕と仲良くならないはずがない。

 でも、架坐都くん、という他人行儀な呼び方は変わらない。

 ねえ、兎。君は、僕のことをロウ、と呼んだよね。

 狼と書いて、ロウ。

 でも、最初は警戒してなのか信用してないのか、おおかみさん、って呼んだよね。

 君の細い声がハノの声にかぶる。


「架坐都くん、」


 ―おおかみさん…?

 訝しむような目。

 窺うような動作。

 ああ、兎。

 やっと君に触れられたのに。

 やっと君と結ばれたのに。

 けれど、ここではそれは意味をなさない。

 ああ、兎。

 君に会いたい。

 君に会えない世界なんてもう嫌だ。

 君に会えない世界なんてもう嫌だ。

 今度は、君に会いたい。

 今度こそ、君に会いたい。

 だから。


 僕の暴挙をどうか許してほしい。


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