決意
キャタピラーを瞬殺した俺は粒子が消えた後を見てみた。
「これが魔核かぁ…魔道具の動力になってるって言ってたな」
キャタピラーの魔核は小指の爪ほどの大きさの濁った水晶のような材質の歪な球形で中心にユラユラと炎にも似た煌めきを宿していた。
「品質の良い魔核ほど真円に近い球形で大きくなり、澄んだ色合いで属性色の煌めきが顕著になるって話だから…この魔核はかなり低品質なんだろうな」
キャタピラーは糸にさえ気をつければ駆け出しの探索者でも一人で倒せる程度の強さに見えた、吐き出す糸は扇状に広範囲だが、目測2mまで近付かないとキャタピラーは反応しなかったし糸の射程距離も3mに届かないくらいだったので、弓や投擲で一方的に攻撃することも可能だろう。
名前:クロウ
種族:普人族
年齢:15
職業:旅人
レベル:1(0/10)
経験値:573
Sp 96/100
Mp100/100
固有技能:
メニュー
戦闘技能:
魔操術Lv4
錬気術Lv4
MP回復速度上昇Lv1
SP回復速度上昇Lv1
状態異常耐性Lv1
浄化Lv1
治癒魔法Lv4
回復魔法Lv4
一般技能:
万能鑑定
共通言語
発火
水生成
健康体
残ポイント:41
迷宮に入る前に確認した経験値は571で、キャタピラー一体を倒した現在は573、キャタピラー一体は2の経験値しか得られないようだ。
「盗賊は撃退しただけなのにかなり経験値が入って、キャタピラーは息の根止めて2しか経験値入らないとか…もうね、やる気が出ないですよホント…」
因みにレベルが1のままなのは、経験値の振り分けが手動であるためで、チートで貰った能力のお陰で今のところ上げる必要性を感じていなかったせいである。
しかし、キャタピラーが弱いとはいえ経験値が2しか入らないのは計算外だった。
ソロで魔物討伐すればパーティーで討伐するより多く経験値が得られるかと思っていたので期待外れもいいところである。
「うぅ~俺は働きたく無いでござる」
クロウは特に異世界トリップをしたいと思っていたわけでは無かった…はずだ。
記憶の中には知識としてこの世界より進んだ文明の世界の知識が今も尚眠っている。
昨日迄は生活する為に頑張らなければと、自分から厄介事にも首を突っ込んだが、明けて今日は条件がまるきり違うのだ、一文無しの昨日と遊んで暮らせるだけの今日とでは前提条件がまるで違うのだ!…っとクロウの中で働いたら負け的な思考が発生していた。
「働くのは必要最小限、目指す所は美味しいご飯が黙ってても得られるニートって事で………よし!帰ろ!」
何処までも後ろ向きなクロウであった。
俺は迷宮でキャタピラー一体を倒した後ギルドで魔核一個を買い取って貰い(賤貨五枚)、雑貨屋で紙と鉛筆を購入(小銀貨二枚)して早々に宿に帰ってきた。
(金貨195枚、小金貨5枚と銀貨8枚、小銀貨24枚、銅貨42枚、小銅貨67枚、賤貨324枚)
「まず必要なのは家だな…」
大きく無くて良いから風呂とキッチン、天気の良い日はのんびり昼寝出来る縁側のある家が欲しい。
「ご飯が黙ってても出てくる様にメイドさんに家事をして貰いたいな…」
掃除や洗濯もして貰いたいし、買い物なども任せたいから定番だが奴隷が良いだろうか?
「俺は最低限の仕事で…でも稼ぐには人を雇って稼がせるのが良いな、指示だけ出せば稼いでくるみたいな?」
これも奴隷かなぁ?裏切らないってのが良いよなぁ…
でもギルドで見掛けた探索者のような筋骨隆々としたヤクザみたいな強面の人を顎で使うとか俺には無理だぁ~
かといって女の子だらけのパーティーもなぁ…
「ハーレムとか気疲れするだけだろうし、同年代の女子とか何話せば良いかわっかんないからなぁ~、でも奴隷購入するのに野郎とかおばさんとかも絶対無理だし…」
でも働かせるなら迷宮探索者だよなぁと考える。
実はチートスキルの中に従者や奴隷の成長補正アップや、ステータス操作というスキルが存在していて、このスキルを使って教育したりスキルを取得させたりすれば短期間で有能な探索者奴隷を育成出来そうな気がするのだ。
「よし、とりあえず明日は家を見に行ってみよう!」




