公都へ
現在ケルマさんの馬車で公都へ向かっている。
俺が取得した魔法で護衛の二人は完全に回復した。
益々皆に驚かれたが、理由を聞くと回復や治癒系の魔法は使い手がかなり少ないらしい。
ケルマさんは商業ギルドの会合の為に自身の商会のある公都から王都に出向いた帰りの道中だったらしい。
本来この街道は王国騎士団と公爵騎士団により定期的に巡回され、今回の様な纏まった数の盗賊に襲われる事は皆無らしい。
それなのにこの街道で、しかも護衛付きの荷馬車でなく客車を襲うという事は、ケルマさんを狙っての犯行だという事らしい。
異世界に来て早々にキナ臭い話である。
ケルマさんは今回の旅に家族を伴って来ており、出発の時に紹介されたのだが、命の恩人にはそれ相応のお礼をしなくてはと奥さんと盛り上がり、娘さんを俺の嫁にとか言い出したのは流石に参った。
ケルマさん、貴方のお嬢さんはまだ三歳です、勘弁して下さい。
まぁそんな一幕があったりしながらの道中で公都に着くまで色々と教わった。
貨幣単位は世界共通でしたから賤貨、小銅貨、銅貨、小銀貨、銀貨、小金貨、金貨、閃貨とあり全て10枚で次の硬貨となる。
大体庶民に流通しているのは銀貨までで、小金貨以上の貨幣は商業取引に用いられる貨幣で滅多にお目にかかる事がないそうだ。
まぁケルマさんは大きな商会の商人なので閃貨も使う事があるそうだが。
暦は住んでる場所により認識が違い、この辺りは王国歴を用いるらしい、因みにいまは王国歴3071年。
一年は365日、一月は30日、季節は春夏秋冬の四季で一季が三月である、年末年始の5日間は毎年日蝕となるらしい、この5日間を生誕季と言う。
異世界定番の冒険者ギルドはあるが、商業や生産業の互助組織であり商業ギルドの一部門という扱いらしい、なので冒険者ギルドとは呼ばず商業ギルド探索部門と言うらしい。
冒険者や探索者の主な仕事は迷宮の探索で魔核を手に入れる事であり、商人の護衛などは傭兵部門に登録した者の仕事で、レダさん達護衛の三人は実力を認められて専属契約を交わした傭兵部門の登録者だそうだ。
都市部に近い迷宮は全て管理迷宮といい、周りを囲う様に都市が建築されそれぞれの国が管理している。
迷宮は他に祝福迷宮と未登録迷宮があり、祝福迷宮は最奥のボスが倒され制御コアが外された迷宮で魔物が出なくなり迷宮を構成していた壁や床が魔鋼と呼ばれる金属として採掘出来る様になるらしい。
未登録迷宮は人里離れた秘境などにある迷宮や、新たに出現する迷宮の事である。
迷宮内は異界で中に居るのは大半が魔物で、倒すと魔核と呼ばれる魔力の塊を残し、残りの全ては魔素に分解され綺麗に消え去る、稀に外の魔獣が入り込み繁殖している事があるが、魔獣の場合は死体もその場に残り素材を剥ぎ取る事が出来る。
そういった危険な仕事をしたくない場合は、ギルドの下請け部門に登録して倉庫整理や荷物の積み降ろしなどの簡単な肉体労働で稼ぐ事も出来るらしい。
あとは…そうだステータスコア呼ばれる人族の魔核があるのだが、これは通常は身体の中にあって取り出せないが、死亡するとちょうど鳩尾の部分に魔核が生じる、今回死亡した盗賊のステータスコアはレダさん達が回収してくれていたのだが、これを騎士団かギルドに持って行けば報償金などが貰えるらしい。
まぁ他にも世界情勢とか色々教わったけれど取り敢えず今は関係ないかな?
色々教わって思ったのが、意外に平和な世界だって事かな。
隣国と接している王国辺境部は小競り合いが絶えないみたいではあるけれど、大きな戦争はここ数十年起きてないし、今代の魔王は穏健派で多種族には関わらない方針らしいし…。 …って、魔王居るのかよ!
何か教会はギャーギャー煩いらしいが各国共に魔王が居る魔国が特悪い事を何もしていない為、静観する方針なんだとか。
まぁ何にせよ公都のギルドで便宜をはかってくれるらしいので身分証明書とかについては問題なくなりそうで良かった。
後は俺がやりたい仕事を見つければオッケーだな。




