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森の中で


 廃村から唯一続いていた、ともすると生い茂る雑草でその痕跡を無くしそうな細い道を、邪魔な立木の枝や雑草を手にした鉈で振り払いつつ俺は歩を進めた。


 魔物や獣による襲撃の事も一応考えたが此れだけ下草が生い茂り、道を一歩外れただけで足を取られる様な場所なら、何かが移動すれば草ずれの音もするし繁みが動き察知出来るだろうと最低限の警戒だけ払って進んでいた。


 この廃村からの小道は使われなくなってから相当の期間が過ぎている様だ。


 堆積する落ち葉が腐葉土となり道と森の境界線をかなり曖昧にしている。


 小一時間程も枝を打ち払いながら歩いた所で漸く街道と思わしき道が、木立の合間から見えてきた。


 (こうゆう場面だと盗賊に襲われる馬車とかがテンプレなんだけどな…………ん?テンプレって…アレッ?何でこんな事を考えたんだ?)


 どうにも前世の知識が半端に残っているせいか、ふとした拍子に思考が流されるな…


 そんなとりとめもない事を考えていると街道の方からガラガラという騒音が聞こえてくる。


 (テンプレ乙!マジですか!?)


 見えてきたのは二頭立ての幌馬車と其れを追ってくる馬上で戦闘をする集団。


 (どう見ても襲われてるよな?)


 問題は襲われている側、襲っている側どちらに『正』が在るのかだ。


 もしかしたら俺からは襲われて見える馬車側が盗賊で、追っている側が警察官みたいな人物かもしれない。


 俺が隠れている繁みからはまだ100m程は距離が有りどちらを助けるべきか判断はつかない。


 あっ因みに俺は別に正義の味方というわけでは無いので正義感から助けようとしているわけでは無い。


 単に助ければこの先の道案内をして貰えるだろうという打算的考えから手を出すつもりでいる。


 他の選択肢が有るなら本物の戦闘に介入するなんて事を選びはしないのだが、残念ながら目の前に起きている事態を逃すと行き先の判らぬ2択を選ばなければ為らないので介入する事に決めた。


 どうやら馬車側は、馬車と護衛二名、襲撃側は六名で、護衛二名は善戦しているが襲撃側が一人に三人掛かりの状況は流石に厳しいらしく、護衛二名の方が襲撃側より腕は上に見えるが、戦況は襲撃側が優勢の様だ。


 (えーと、確かマップに…盗賊を検索っと)


 固有技能『メニュー』の機能の一つ『マップ』を起動し盗賊をサーチすると襲撃側にあたる光点が赤く染まる。


 このマップは実際に行って見たことのない場所は一面灰色にしか表示されないが、一度目視した場所なら色分けされた平面図として表示されるし、マップ画面圏内であれば様々な条件で検索を掛ける事が出来る優れ物だった。


 マップ画面に表示されている『人物』を現す光点は盗賊側の6つに襲撃されている側の6つで、合計12個。


 目視で見えるのは馬車外の九人(御者、護衛二名、盗賊六名)だが、マップの検索機能は見えていない馬車内であっても検索範囲内であれば見透してしまう。


 (さて、盗賊は六か…介入すると決めたものの俺の能力で何とかなるかな?)


 神様に貰った技能は基本、自分一人なら生き延びられる事を前提に選んだに過ぎない。


 仮に自分が襲われている立場なら魔操術で魔力の盾を操り攻撃をいなし、錬気術で身体能力を上げて一気に逃げ出すつもりでいたのだ。


 (なのに、異世界生活初日から戦闘とかもうね…)


 内心で愚痴りつつ俺は錬気術で身体能力を上昇させ、盗賊達の側背を突くべく移動を開始した。


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