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奴隷少女は規格外  作者: 猫師匠
奴隷生活編 ~奴隷として売られました~
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サルでも分かる



 サイモン家に来て早数週間。


 それなりに生活に慣れ、食に改革をもたらした私はふと思い出して、書庫へと向かっている。


 うん、忘れる所だったよ。


 そう。



 魔法である。



 使えるなら使ってみたいもんだけどね。


 やっぱり憧れ?


 書庫の扉を開――――く前に中の気配を探る。


 誰もいない様だ。


 いや~、迷探偵さんが居たら如何してくれようかと思ってたけど、居なかったか~。



 ドアを勢い良く開け放つ。



「たのも~!」



 ………………



 うん、誰も居ないんだから当たり前だよね。



 書庫の中はゲイルの家よりも雑多として居て、種類も豊富そうに見える。


 何を隠そう、我が家のサイモンさん、現ご主人様は考古学者にして翻訳家を生業としているのです!


 最初は趣味の考古学で難しい言語を翻訳なりなんなりしているうちに、多種多様な言語を習得していたとか何とか。


 趣味と実益を両立したみたいですね。



 そのサイモンさんが誇る巨大書庫。


 人は其れを『世界のゴミ場庫アカシックレコード』と呼ぶ。


 まあ、壮大に言ったけど、そう呼んでるのは私とサラちゃんくらいなモノなんだけどね。


 実情はただ掃除してないだけの図書館である。



 汚いけど、探せば大抵の知識は此処で手に入ると言っていい。



 そう言えばどんな本探せばいいんだろ?


 『初心者用魔法入門』とか、『鉄板! 初級魔法100選』とか無いかな?


 無いですよね、そうで―――


 その瞬間目についた。



『サルでも分かる!

  魔法の使い方 ~入門編~』



 何故………


 まあ良いか。


 取り合えず拾い上げてページを開く。



『序章 ~この本の在り方について~

 この本はサルでも分かるような簡単なものです。

 まずは魔力を認識してみましょう。

 それさえ認識できない様な場合、貴方にこの本は必要ありません。

 早急に捨て去るか、病院に行く事をお勧めします』



 バカにされてる気がする。


 いや待て、確実にバカにしているだろ!!


 投げ捨ててやりたい気持ちを抑えつつ、これさえ読み終われば魔法が使えるという希望を一緒に捨て去る訳にはいかないとページを進める。



『第一章~魔力を感じよう~

 まずは自分の中に在る力を認識しましょう。

 胸に手を当てて、大きく深呼吸をしながら―――』



 なるほど、意外と中身はまともそうだな。


 書いてある通りに行動しつつ、続きを読んで行く。



『深呼吸しても上下しない自分の胸の無さが実感できましたか?』



「やかましいわ!!」



 思わず本を床に投げつける。



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