地味にダメージでかい
「朝ですよ!」
「――――――むぅ………」
太陽の光と、大きな声で強制的に意識が覚醒する。
悪夢を見て居た様な気がするが、幸か不幸か内容は覚えていない。
なんだろう、不快感はあるのに原因が分からないって、いや、原因は悪夢のせいなんだろうけど。
「朝ごはん出来てるよ。サヤお姉ちゃん」
お………お姉ちゃん!?
年齢的にはそこまで離れてないし、そもそも童顔の所為で同い年くらいに見えるのに!
純真無垢なロリ………もとい、お子様からお姉ちゃん!!
やば、鼻血でそう。
「どうしたの?」
私からでる黒いオーラを敏感に察知したのか、少しだけ後ずさるサラちゃん。
地味にダメージがでかい。
サイモンさんの気持ちが少しだけ、分かった気がした。
買って貰った私服に着替えてリビングに向かうと、既に食事の準備はされており、サイモンさんとラミアさんが待っていた。
そのテーブルにサラが向かい、私は開いている席へと向かう。
「おはよう、ございます」
「おはよう、サヤ」
「サヤちゃん、おはよう」
「さ、朝ごはんが冷めない内に食べようじゃないか」
目玉焼き(何の卵かは知らないが)とトースト、サラダ、牛乳(の様な物)と、普通の朝食。
「サヤは昨日から家族になった訳だが、働かざる者食うべからずと言って―――」
「サヤちゃんにはお手伝いをして貰います」
サイモンさんの語りを無視してラミアさんが提案する。
働かざる者食うべからずって諺こっちにもあるのかって驚愕は、頭の隅っこに置いておく。
あれ、格言だっけ?
「掃除洗濯、主に炊事関係ね」
「それなら大丈夫です」
家事なら大丈夫。
これでも一人暮らし歴は2年!
あ、でも高い物とか異世界のモノだと扱い違うのかな?
それ以前に洗濯板で洗濯が基本の世界で家事とかどうするんだ?
「今日は、お使いに行って貰いましょう」
「サイモンさんも一緒にですか?」
「え、何でだい?」
「いえ、刻印があるので契約主から離れられないんですよ、私」
思い出したように設定を持ち出す。
うん、私も今の今まで忘れてたんだけどね。
「ああ、それなら大丈夫、このセントリア貿易都市内なら自由に動き回れるようになってるから」
都市の外に出る場合は僕が同行しないと駄目だけどねって、この刻印の設定って結構な融通が利くっぽいな。
これがご都合主義って奴か!
そもそも、ご都合主義なら奴隷になんぞなっとらんのだがな………
「はい、これが貿易都市内で使われてるセント硬貨」
見せてもらった初めての硬貨。
ハッキリ言って、違いが分からない。
金貨、銀貨、銅貨は分かるのだが、もう2枚は何だろうか?
「高い順に、白金貨、金貨、銀貨、銅貨、鉄貨」
白金?
もしかして、プラチナ?
まあ何でもいいや。
貨幣価値は鉄貨10枚で銅貨1枚。
銅貨10枚で銀貨1枚。
銀貨100枚で金貨1枚。
金貨100枚で白金1枚。
結構分かりやすい上に、銅貨1枚が100円くらいの価値っぽい。
それを考えると1金貨が10万円、1白金貨が………考えるのはやめよう、どうせ私には縁がないものだし。
まあ、後は実践だけ、サラちゃんも一緒に行ってくれるらしいので問題なく任務は達成できそうですよ。
久しぶりにこのノリです
真面目な話は肩凝って仕方ないですね
次回からはしばらくこんなノリが続く
はず………
感想とか指摘とか待ってます