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奴隷少女は規格外  作者: 猫師匠
奴隷入門編 ~奴隷になりました!~
2/59

ポテチは何処、私のコーラは?

 此処は何処、私は誰?


 うん、一度は言ってみたかった。反省も後悔もしていない。


 ただし――――



「此処は何処じゃあああああああああああああああああああああああ」



 叫ばせて下さい。



 よく思い出せ、私。



 名前は? 村雨沙耶(むらさめ さや)だ。


 性別、女性。


 年齢、1……まだ17だ!


 黒髪、腰まで届くロング、ツリ眼、ツルペタ、童顔。



 大丈夫、私だ。



 記憶を辿ってみよう。


 家を出たな、茶色い木製に見えて木製じゃない家のドアを開けて。


 コンビニまで歩いた筈だ、徒歩2分もかからない距離だ。


 買い物したな、ポテチとコーラ。


 帰り道、光が見えた、此処に居た。



 大丈夫、意味分かんねぇ………



 周囲を確認。


 木 木 木 木木木木 木木木 木木木 木木


 結論、森。


 道も無い、未知しかない。



 周囲は暗くなり始める直前、と言ったところ、歩くのは危険過ぎると判断し、適当な木に登る。


 地べたで寝るなんて危なすぎる。


 もし森の熊さんに出会ったら忘れ物は自分に命になってしまう。


 お、意外と快適かも………背中痛い。



 とりあえず朝まで待とう―――







 辺りが騒がしくて眼が覚める。



「朝っぱらから何騒いでんだ!」



 って、此処は何処だ。


 寝起きで頭が回らない。


 ああ、昨日もやったな此処は何処ネタ。


 いやいや、そんな場合じゃないし。



「追え! そっちに逃げたぞ!!」「はっはー、譲ちゃん譲ちゃん、逃げ場はないぜ~」「傷は付けるなよ! 大事な商品だからな!」



 何やら物騒な声が………


 下を見れば16歳くらいの金髪美少女。


 面倒事に巻き込まれた予感。



「何してんの?」



 とりあえず声を掛けてみる。



「奴隷商人達から逃げてるんです!」


「へぇ~」



 あら、声まで可愛い。



「………っ!?」



 違和感に気がついたのか美少女がこちらを見上げる。



「やほ~」



 美少女の顔が強張る。


 可愛い子に恐がられるのは少し傷付くが、不審人物である自覚はあるので仕方無い。



「助けてあげようか?」



 これでも武門の家柄で、そこらのチンピラに負ける事は無いという自負がある。



「…………」



 あからさまに警戒する美少女……って名前聞いてないや。



「私は村雨沙耶」


「……………アイリス」



 アイリス、アイリスね。


 覚えた。


 周囲の気配を読んで、相手の人数は5人程かな? とあたりを付ける。



 ま、何とかなるでしょ。


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