プロローグ6:孤独な王座への道
### プロローグ6:孤独な王座への道
セシリアの野生と、カレンの知性。
二人の異才を半ば強引に傍に置いたことで、マキの軍略はさらに研ぎ澄まされ、アレクサンド王国の版図は急速に拡大していった。
しかし、周囲に仲間が増えれば増えるほど、マキの心に宿る「覚悟」は、より冷徹で排他的なものへと変わっていく。
マキ(私が目指す統一は、血で塗られた道だ。……セシリア、カレン。お前たちは、その後の『光』の世界を担う者。この泥を啜り、業を背負うのは、私一人で十分だ)
彼女は、自分を慕う部下たちにさえ、心の最奥だけは決して見せなかった。
戦場で一人、数千の敵を壊滅させる絶大な魔法を放つ時。
他国の将から「人殺しの英雄」と罵られながら、無表情に剣を振るう時。
彼女が守りたかったのは、かつて自分からすべてを奪った「戦争」が二度と起きない世界であり、そのために自分自身を「最強という名の怪物」に仕立て上げていった。
マキが17歳になり、大陸十傑の座を不動のものとした頃。彼女は王宮のバルコニーから、平和を謳歌し始めた王都の灯りを眺めていた。
マキ「……もうすぐだ。あと数年で、私は大陸を平定する。その時、私の役目は終わる」
大陸統一という、有史以来誰も成し遂げられなかった偉業。
その達成と同時に、自分という「最強の武力」を消去する。それこそが、新しい世界に争いの種を残さないための、マキ・クロフォードなりの「最後の純愛」だった。
マキ「戦争のない世界を。……それを作るためなら、私は喜んで、悪魔にでもなろう」
夜風に揺れる黒髪。その背中は、見守る者が思わず涙を流したくなるほど、凛としていて、そして壊れそうなほど孤独だった。
マキは月明かりに照らされた天井を見つめ、小さく微笑んだ。
マキ・クロフォード。最強の騎士団長の物語は静かに幕を開けたのだった。
**【プロローグ・完】**
まだまだ1話1話が短い文しか書けませんので
かなり読みにくいのは承知のうえですか
もし宜しければブックマークを宜しくお願いします,




