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プロローグ2:神童の覚醒と宿命の構え

### プロローグ2:神童の覚醒と宿命の構え


養父マイク・クロフォードの戦死。その報せは、8歳の少女から世界の色彩を奪い去った。

葬儀の後、誰もいない教会で枯れるほど泣き腫らしたマキは、ふらふらと立ち上がると、自宅の地下室に安置されていた「形見の剣」を握りしめた。


マキ「強くなるんだ……。もう誰も失わないために、私が、強くなって……全部、守るんだ……!」


それは、子供の純粋な願いというよりは、呪いに近い誓いだった。

雨の日も、凍てつく風の日も、マキは庭先で剣を振り続けた。手のひらの皮が剥け、血が滴り、剣の柄が赤く染まっても、彼女の瞳から光が消えることはなかった。


独学での魔法修行もまた、壮絶を極めた。

図書館に籠もり、大人が顔をしかめるような難解な魔道書を読み漁っては、一人で魔力の練り上げを繰り返す。

脳裏にあるのは、いつも優しく、そして誰よりも強かった養父の姿。


マイク『我が名はマイク・クロフォード、いざ尋常に!』


鮮明に焼き付いたその「型」と「声」を追いかけ、マキは己の幼い肢体を極限まで追い込んでいった。


一年後、9歳になったマキが街の剣術大会に現れた時、周囲はどよめいた。小等部の枠を跳ね除け、大人の部に参加した彼女は、並み居る巨漢の剣士たちを赤子のようにあしらい、圧倒的な実力で優勝をさらったのだ。

「神童」「クロフォードの再来」――。

噂は瞬く間に王都へと届き、マキの名は伝説のプロローグとして語られ始めた。


そして、マキが12歳になった春。

王都ロザーリアの祭りで開催される武術大会。そこには、アカデミーを卒業したばかりの血気盛んな新人騎士たちが腕試しに集う、事実上の「騎士団登竜門」となっていた。


来賓席から見守る当時12歳の王子、ラーズ・アレクサンドは目を見開いた。


ラーズ「凄い……。僕と同い年の、しかもまだ小等部の女子なのに……。新人騎士たちが、まるで歯が立たないなんて……」


マキは、嵐のような速さと、精密機械のような剣筋で、決勝まで一点の曇りもなく勝ち進んだ。

そして迎えた決勝戦。対峙するのは、今年、騎士団高等アカデミーを首席で卒業したという、将来を嘱望されるエリート新人騎士。


会場が静まり返る中、マキは養父から受け継いだ、あの懐かしくも峻烈な構えを取った。


マキ「我が名はマキ・クロフォード、いざ尋常に――」

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