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第6話:騎士団長さまとおねんね

第6話「騎士団長さまとおねんね」


お風呂上がりの温まった身体を、リノはあえてタオルで完全には拭わず、しっとりと濡れたままの状態でベッドに横たえた。


マキは度重なる接吻の余韻で、ただ荒い呼吸を繰り返しながら、天井を仰いでいた。


(……ようやく、終わったか……。もう、身体中が熱くて、感覚が、おかしい……)


「――マキ様。パジャマを着せる前に、もう一つだけ『仕上げ』が必要です」


「むぐっ!?」


不意に、マキの視界がリノの顔で遮られた。再び重なる、熱い唇。


リノの舌がマキの小さな口内を蹂躙し、さきほどお風呂でリセットされたはずの脳が、再び接吻の熱でじりじりと焼き焦がされていく。


「ん、んむ……っ、ふぅ……っ」


リノは唇を離すと、蕩けたような瞳で、マキの「かつてはIカップを誇った、今はなだらかな膨らみ」を見つめた。


「マキ様……。お口だけじゃ、足りません」


「な、何を……あぶっ!? ぁ、ああぁっ!!」


リノが次に口づけたのは、マキの首筋だった。


一歳半の、まだ発達もしていない未熟な肌。マキの背筋に稲妻のような衝撃を走らせる。


(やめ……リノ……! そこは、ダメだ……っ! 赤ん坊の身体で、こんな……こんなことを……っ!!)


「ふふ、ここ、大人の頃より敏感なんじゃないですか? ほら、マキ様の可愛いお声、お部屋中に響いてますよ」


リノは、小さな突起を唇で食むように、吸い上げるように執拗に刺激する。


マキの小さな手足が、シーツを掻きむしるようにバタバタと跳ねた。


二十三歳の誇り高い騎士団長としての意識は部下に弄ばれるという背徳感と、抗いようのない肉体の悦びに、もはや崩壊寸前だった。


「マキ様、すっごく、すっごく可愛いです……! このまま食べちゃいたい……」


リノの接吻は止まらない。首筋から背中、お腹とまんべんなくリノの唇が


「あ、ああぁぁぁーーっ!!」


一歳半の肉体は、リノが与える過剰な刺激を受け止めきれず、激しく痙攣し、涙と涎でぐしょぐしょになりながら、ただただ「部下」のなすがままにされるしかなかった。


「……ふふ。お着替えは、もう少し後にしましょうね、マキ様?」


リノの甘い囁きが、混乱の波間に漂うマキの脳内に、逃れられない呪いのように響き渡っていた。



「……あぁ、本当に素敵。見てください、マキ様」


「マキ様の身体、こんなにちいちゃくなっちゃっても……なんて魅力的なんでしょう。あんなに凛々しかった二十三歳のマキ様が、今はこんなに可愛らしくて素敵な胸に……」


リノの言葉が、マキの脳内に直接突き刺さる。二十三歳の知性は、その「変化」の残酷さを誰よりも理解していた。


(……やめろ……。その『ちいちゃい』という言葉を……私に向けるな……っ!)


リノは、かつての騎士団長としてのマキを「崇拝」していたが、今の無力で小さなマキを「支配」することに、形容しがたい悦びを感じていた。


「マキ様の身体が、こんなに愛らしい姿に……。ねぇ、マキ様。元に戻りたいなんて、本当は思ってないんじゃないですか? こんなに気持ちよさそうに、私の腕の中で溺れているんですもの」


『ち、が……う……私は、騎士団長……マキ、……っ!』


心の中での反論も、リノの執拗な「可愛い」という呪いと、幼い肉体を焼き尽くす接吻の前に、次第に形を失っていく。


マキは、リノの腕の中で「ちいちゃい女の子」として扱われる屈辱を、もはや脳が悦びとして受け入れ始めている自分に、本当の絶望を感じていた。


「さあ、もっと可愛くして差し上げますね。……私の、ちいちゃな、大切な騎士団長様」


リノはそう囁くと、今度はマキの小さな耳たぶを甘噛みし、さらなる「秘密の教育」を再開した。


-

カーテンの隙間から差し込む柔らかな朝陽が、一歳半の視界を明るく照らし出した。


マキは重い瞼を持ち上げ、昨夜の——あの、身体の芯まで焼き尽くされるような辱めの記憶を思い出し、顔を熱くした。


(……あの変態魔道士め。部下の立場を利用して、あんな……あんな……ッ!)


二十三歳の騎士団長としての理性が、リノへの憤りを再燃させる。しかし、ふと鼻をくすぐったのは、野菜の甘みが溶け込んだ、たまらなく食欲をそそるスープの良い香りだった。


部屋を見渡せば、昨夜あれほど散らかっていた資料や魔導書は整然と片付けられ、朝食の準備はほぼ完璧に整っている。


時計の針はまだ五時半。ふと枕元を見れば、解読途中の難解な魔導書が置かれていた。栞の挟まれた位置は、昨夜から随分と進んでいる。


(……一体、何時に起きたのだ? いや、そもそも寝ているのか? 私に不自由をさせまいと、育児と研究をこれほどまでに両立させて……)


リノの献身。それは、どれほど欲望に忠実な振る舞いがあったとしても、否定しきれない圧倒的な熱量を持っていた。


自分を元に戻すために、若く才あるリノが自らの睡眠時間を削ってまで尽くしてくれている。


(私は……なんという心の狭い上官だ。リノはこれほどまでに必死に戦ってくれているというのに。私への過剰なスキンシップも、きっと極限状態の彼女なりのストレス解消、あるいは私への不器用な情愛の裏返しなのだ。それを変態呼ばわりするなど、騎士として、人として恥ずかしい……!)


マキが自らの心の狭さを猛省し、今日こそはリノに心からの感謝を伝えようと、小さな口を開きかけた、その時だった。


「あらマキ様、起きてらしたんですか? それとも、物音でおこしちゃいましたか? すみませんっ!」


エプロン姿のリノが、パッと花が咲いたような笑顔で駆け寄ってきた。その瞳は少し充血しており、本当に徹夜同然で動いていたことが伺える。


『リノ、お前……本当にありがとう。私のためにそこまで——』


マキが思念で深い謝辞を伝えようとした、刹那。


「むぐっ!?」


視界が暗転し、またしても熱い唇が重なった。


「んっ……ちゅ、ぷはっ! おはようございます、マキ様だーいすきっ! 朝一番の『団長成分』補給完了です! ああ、起きたてのマキ様は一段とピチピチしてて……最高に可愛いですっ!!」


リノはそう叫ぶなり、感極まった様子でマキを両手でギュッ!と抱きしめていた。


「あ、う……あぶぅっ!!」


(……前言撤回だ! やはりこの娘は、筋金入りのド変態ではないか……ッ!!)


感謝の念は一瞬で霧散し、マキは早朝から、敏感肌な赤ん坊の肉体がリノの接吻によって跳ね上がり、再び呑み込まれていくのだった。


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