表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
35/64

第35話 一一一分の一(3)

『……あなたっ! この子は……エルーゼだけは……!』

『ああっ! エルーゼは命に代えても……必ず……絶対助けるっ!』


 頭の中に…………またこの声っ!

 でも、視界は赤く染まらないっ!

 代わりに……体がガタガタ、縦横に振られてる感じがして……。

 それから、全身を締めつけられるような……感覚……。

 息苦しいっ……肺が潰れそうっ!

 で、でも……師匠が倒れてるのに、わたしまでは……。

 わたしが……しっかりしなきゃっ!


「お、おい……弟子さんよ。あんたまで、気を失わないよな……?」


「……だ、大丈夫です。それより刑事さんっ!」


「なんだ?」


「この名簿……死亡者リストですよね? ここにもそう書いてありますけど」


「ああ、そうだ。事故の犠牲者、一一一人の名前だ」


「刑事さんっ! ()()()()()()は、違いますっ!」


「んんっ……?」


「傷を負った生存者、肉親を失った遺族……。事故の犠牲者には、それらも含まれるんじゃないでしょうかっ!?」


「そ、そう言えば……。遺族会代表の元軍人は、『犠牲者』という言いかたをしていたな。だがこの場合、犠牲者は死亡者のことじゃあ……」


「刑事さんっ! ()()()()()()()はありませんかっ!?」


「あ、いや……ここにはない。だが確かあの事故じゃあ、生存者はほとんどいなかったような……」


「……犯人に確認してきますっ! いま、どこにいますかっ!?」


「そこの改札口の向こうで、尋問中だが……。おっ、おい待ちな、弟子さんやっ!」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ