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1〜2おきに更新します!

全24話です。マッチングアプリのお話、どうぞお楽しみください^_^

ちょうど秋と冬の中間くらいの話だね。

まあ、ほとんど冬だったかな。


ある木曜日の15時。


ハヤトくんは、胸と股間を膨らませながら待ち合わせ場所の大学病院へと向かっていた。


中古で買った白いスズキのkeiでね。

社用車なんかじゃないよ、ハヤトくんの愛車さ。


おっと、「膨らませる」ってのは比喩じゃないよ。


実際に彼の肺は荒く吸い込む息で膨れていたし、海綿体にはたっぷりと血液が流れ込み、膨張していたからね。


ハヤトくんは駐車券を受け取り、大学病院の敷地の中に車を滑り込ませた。


黄色く色づいた銀杏がはらはら舞ったりしてさ、実に風流な眺めだったけど、ハヤトくんはサングラスを掛けてるから、葉っぱの色になんか気づきはしなかった。


ハヤトくんは、大学病院を訪れるのは初めてだった。


相手がここを待ち合わせ場所に指定したから、Googleマップ片手にやってきたんだよ。


今年の4月に大分県から転勤でやってきたばかりのハヤトくんは、まだ広島市内の地理にそこまで詳しくないんだ。


仕事でしょっちゅう行かされるのは、西条だの福山だの、外れの地ばかりだからね。


車を停めるなら、目立たない場所がいい。


ハヤトくんは、いくつかある駐車場をぐるぐる周って、結局煉瓦造りの立体駐車場の暗がりの中に入ることを選んだんだ。


2階の奥にkeiを停めると、はやる気持ちのままにスマホを手にした。


そして、チャットアプリを立ち上げる。操作はもう片手で十分さ。手慣れたもんだね。


そう、ハヤトくんはもう随分前からまるで日課のみたいに、チャットアプリでガールハントを繰り返しているんだ。



ハヤトくんが最初にアプリをやり始めたのは、いつだったかな。


何と言っても、彼が生まれた頃には1人一台携帯電話が当たり前だったから、ものごころついた頃には、ハヤトくんも親からガラケーを持たされていたんだよね。


その頃はまだアプリじゃなくて、出会い系とかメル友掲示板とかだったかな。


まあどちらも似たようなもんだけどさ、昔は今みたいにカジュアルなもんじゃなく、どれももっともっと露骨な雰囲気に満ちていたよ。


そう、ガールハント目的の男たちとそれが半分分かって集まる女たちさ。


ハヤトくんが性への好奇心が旺盛なのは今に始まったことじゃなくて、もう思春期の頃からの話だよ。


あの年齢の時に、こんな道具があったんじゃあ、そりゃあすっかりのめり込んでしまうよね。


ハヤトくんが興味を持ったのは、恋愛よりもセックスだった。


ハヤトくんくらいの年齢とセックスをしたがるのは、やっぱり歳上の女性が多かったから、ハヤトくんはすっかり歳上の女性や人妻を追いかけるようになった。


逆にハヤトくんと同い年の女の子たちがセックスしたがるのは、歳上の男性なんだよね。


そういう場所に集まる若い女の子は、セックスとお金を交換したいんだから。


だから、男女がお互いに年下と歳上でばってんで結ばれるように、ハヤトくんは同年代の女の子と結ばれることなく、歳上の女性とのセックスを繰り返したんだ。



つづく!

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