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ガバチャー奮闘記  作者: 高橋太郎
姉弟子
14/50

「でも、一緒じゃないんだよ? 大丈夫なの?」

「まあ、これまでも師匠のお供で出かけるときとか別々でしたし、会おうと思えば会えるのですから、さして問題ではありませんよ。それに、姉弟子上、アルバート老師のお世話は良いんですか?」

「おじいちゃん? おじいちゃんなら大丈夫よ。執務時間ぴったしにしかいないから」

「それもそれでどうなのかなあ。院長として」

 僕は何とも言えない顔付きで溜息を付いてしまいます。

 原作では過労死寸前まで働いていたアルバート老師ですが、この世界では過労死するほどだった仕事の大半をベルナルド師に押し付けて自分のやりたい仕事だけこなしています。

 御陰で、アルバート老師のコンディションは原作よりも圧倒的によろしく、“王国最強”の二つ名に恥じない戦闘力を保持したまま、遊撃戦力として王国内を睥睨(へいげい)しています。

 逆に、ベルナルド師は魔道院の事務作業を一手に引き受け、魔導師としての腕は原作に比べれば多少(おと)り、国政に対する影響力は宰相(さいしょう)に匹敵するレベルまで高まっています。

 うちの莫迦(ばか)師匠はそんなの関係ないとばかりに好き勝手に仕事を選んで遣りたい放題に生きています。

 ただし、何の知識もないものが見たらそう見えるだけで、実際のところは、原作知識を活かして、メインストリームが始まり次第、勇者が優位に進めるよう下準備に勤しんでいるわけです。

 まあ、自分の欲望のためにそれを大義名分として動いていると知っている身としては何とも言えないわけですが。

 総合的に見れば、間違いなく原作よりも魔道院は力を持っているんですが、原作でも重要キャラだったベルナルド師の負担が大きすぎるのが今の問題点と言えましょう。

 なにせ、原作ではアルバート老師との確執(かくしつ)だけが問題だったのに、今や頭を悩ます相手がもう一人増えているわけですからね。ええ、うちの莫迦師匠のことなんですけど。

 一方でアルバート老師はこの世の春を謳歌(おうか)しております。何もかも上手く行き過ぎて、はっちゃけすぎているのが玉に(きず)ですが、僕の計画表(チャート)を壊すことはないので、僕としてはどうでも良いかな、と。ええ、姉弟子上を甘やかしていますが、結果的に行動を掣肘(せいちゅう)してもいるので助かるところもありますからね。

 今だってそう、

「老師が姉弟子上を探しに徘徊(はいかい)し始める前に向かわれた方が(よろ)しいのでは?」

 と、姉弟子上を容易に誘導できますので。

 うちの莫迦師匠に比べたらなんと素晴らしいことか。

 まあ、ベルナルド師の方が数万倍素晴らしいんですけどね!

 なにせ、あの方は師匠や老師と違って真っ当ですから。

「もぅ、弟君ったら。流石のおじいちゃんでもそこまでしないわよ~」

「本当にぃ?」

 思いっきり(いぶか)しむ顔付きで僕は姉弟子上に問い掛けます。

「……しないと……思うわよ?」

 姉弟子上もないと言い切るには老師の日頃の行いが悪すぎました。

 身内に対して過保護すぎていささか過激な行動に出がちな姉弟子上ですが、師匠よりは常識があります。師匠よりは。

「実際にしだしたら大変なので、素直に老師を迎えに行ってあげて下さい。老師の機嫌が良くなれば良くなるほど、魔道院の雰囲気が良くなりますし」

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