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文字を教えて、また禁忌の地に

投稿予定についてはこれからも活動報告に書きますー。


中央集落、神の祭壇


翌日昼過ぎ、神の祭壇には、アクワヌ大長老を始め、各長老、イスルさん、タタさん、ドバくんと数人の近衛団員、製鉄所所長、戦士団副団長と団員数人、シャーマン数人、タナワス事務団長と数人の事務団員、総勢20人弱が集まった。


ダネブ団長と北の長老はバロッチのことでこれない、また、バロッチのアブス大長老はアタブ族との交渉中なので、恐らく早くても明日のはず。


事前にタナワス事務団長にローテーブルと羽毛ペン、インク、草紙などを人数分用意してもらい、祭壇の中央には、塗板を設置した。こちらもまた昨夜急遽事務団員に用意してもらった黒板の代用品。


これから文字を教えるから、黒板がないとね。



『ではでは、これから皆さんに、「神の文字」を教えるんだ。』



まずは文字の種類を一通り教え、それぞれの文字は身近な例を挙げながら練習させている。例えば体の部位や親族の呼び名、数字や食物、動植物などなど。覚えること自体は繰り返しの練習でしか道はないので、気楽に気長にやるつもりだ。


そして最後に、皆の名前の書き方を覚えさせ、宿題と明日の授業内容を予告して今日の授業を終えた。




皆が神の祭壇から出ていくのを見送るところに、ドバくんが話しかけてきた。



ー『ナオ様、これから特に予定はございませんでしょうか?』

『うん、ないよ。どしたの?』

ー『いや、もしご予定がなければ、私は少々外出してもよろしいでしょうか?』

『あ、そういうことか、いいよ。』

ー『ありがとうございます。』

『でも気になるな、ドバくんはどこに行くの?』

ー『あ、えっと、ちょっと早めの入浴を…』

『そか、そしたら川に行かないとだね、どっちの側に行くの?』

ー『北の方に行く予定です。』


『……分かった、じゃあ私も行くー』

ー『しょうち、えっ?!!?、えーー?!』



いきなりドバくんが大声を出したから私びっくりしたーーー。あっ、あ〜〜、私は誤解させるような発言をしたんだね。これは私が悪かった。



『あ、ごめんごめん、私は禁忌の地に行こうと思ったの、一緒に入るって意味じゃないよ。』

ー『そ、そうですよね。』



慌てて訂正を入れたが、時は既に遅し、ドバくんの顔はまっかっかに染まった。なんか可愛いからまた弄りたくなった。



『それとも一緒に入ったほうがいい?』

ー『!!!い、いや、その、えと』

『ドバくんって可愛いね。冗談だよ〜。じゃあちょっと待ててね、片付けてからすぐ出るんで』



既にまっかっかな状態の顔が更にその赤色の彩度がマックスに上がり、口がパクパクしてうまく言葉を組み立てられない様子のドバくんは、ほんとにピュアで可愛いな。


そんなドバくんを一旦出口で待たせて、私はタナワス団長に残りの作業を渡し、部屋に戻り書類を仕舞ったあと、リュックを背負い出口に向かった。



『お待たせ、じゃあ行こうか』

ー『は、はい、行きましょう。』



まだ頬にピンクの色合いがすこし残ったドバくんと二人で北口を出て集落を後にした。


この間私が神力を披露した後、ドバくんと近衛団員たちには私の不老不死の能力のことを伝えたので、今後は公務以外の護衛は基本的に不要になり、神の祭壇の警備以外は完全な自由時間として与えた。


大長老やタナワス団長にも中央集落に戻ってから伝えた。二人ともそこまで驚いていなかったので逆に私が驚いたが、大長老は「神の代理人でしたら、神の力を行使できること自体想定しています」と説明してくれたので、まあそうだよなと、なぜか私が納得させられた側になった。








入浴に使う小川と禁忌の地は割と近くにあり、小川に近づくと既に何人かが入浴や水遊びしているのが見えた。


ー『では僕はここで』

『はいよ、じゃあまた後でね。』

ー『あのう、確かにナオ様が禁忌の地にいくらいてもこちらの時間が進まないと仰っていましたので、待たせてしまうのも悪いですからよかったら先にお帰りください。』

『あ、そうだったね。へへ、分かったよ。』



一旦ここでドバくんと別れ、一人で禁忌の地に向かった。







ボアスア、禁忌の地、神の部屋


最初、中央集落から禁忌の地までの距離とドバくんたちの拘束時間への配慮で、多分そんなにこないだろうと思っていたが、結局ほぼ毎日来ることになった。


正直、私としてはここを拠点にしたほうがいろいろ楽なので、今日はその実現可能性について神に聞きたくてここに来た。


で、確かに前回出た時は、メイクルームからだったけど、入り口はいつも机の近くだね。まあ便利だけど。


私はそう思いながら紙を念じて生成させ、いくつか神への質問を書いて右の鼎に置いた。


今回も一瞬で右の鼎から紙が消え、左の鼎から絹布が現れた。いつも早いな。


絹布を開けて、ドキドキしながら確認した。




<< 私の説明が足りなかったので、この回答を兼ねて説明する。


まず一つ目の質問、前回ここに入ったときと出たときの時間差について。それは、あなたが出口を生成してからすぐに出なかったためだ。


ここはあなたがいた三次元空間より上の高次元空間であり、ここに時間という物質は存在していない。


しかし、出口を作ると同時に、向こうの次元への通路が出来上がり、その際に通路を保つためには向こうの次元の時間の流れに合わせる必要があって、さもなければ通路が崩壊してしまうのだ。


では入口はどうなっているのか、とあなたは疑問を持つかもしれないが、あれは入口ではなく、目印である。あなたがそこに手を差し伸べるまで入口と通路は作られない。


つまり、二つ目の質問に答えると、ここを拠点にしながら時間の経過感覚を向こうの次元と合わせることは、出口を生成することで可能なのだ。


それから、三つ目の質問に関しては、神託剣を持って念じればどこでも入口の生成が可能だ。


あと、入口と出口を生成するときに細かな生成条件を設定することで、あなたの四つ目の質問内容が実現できる。


最後に補足をさせてもらう。出口と入口は同様のことができる。 >>




なんという歓喜な回答だった。ってか神が敢えて私に説明しなかったようだ。もしくは私がすぐに分かるだろうという意味で深く説明しなかっただけかも。


要するに最初に私に説明した「念じれば物が作れる」の中には既に「禁忌の地の出入口」が含まれていたので、それでいいだろうと思ったのだろう。


まあ神から見ればそこの区別があるとは思っていなくて、逆に私が勝手にそこを区別して認識しただけってこと。


ちょっと怖いな、この「物」の定義と「作れる」の定義が、ひょっとしたら私と神とは全然違ったかもしれない。


何を考えたかというと、神の視点で考えれば、神にとっては生き物も「物」の定義であり、それを作ること自体は極めて普通であるからだ。実際、私が呼ばれたときも神は私の体を作り変えたしね。


つまり恐らく私が念じれば…。


いや今はこれ以上考えるのをやめるのだ…。





今回も同じく、ここ禁忌の地に長めに滞在することにした。


研究部屋で、ここまで出会ったことを記録しつつ、いつか帰るときに新しい論文を書くための気付きをまとめた。


歴史を改変していくし、証拠となるものは写真くらいだけど、この時代はそもそもカメラも写真もまだ発明されていないし、ましてやスマホで撮ったデジタル画像なんて誰が信じるのかってことだから、実際の研究にはそこまで役立たない気がする。


強いて言うなら、各集落の場所を覚えて、発掘をどこかの団体組織にお願いするとかかな。


そして私がもともと提出する予定の修士論文も最終仕上げをして完成した。


後は帰ってから提出して、その後の流れに沿って修論最終試験に臨み、問題なければ修士学位が取れる。


よしめんどうなやつが終わったから、次はゴロゴロタイムだ。


休憩部屋にダッシュで突入し、そのままキングサイズのクッションへ飛び込む。


「あぁ〜〜、しあわせ〜〜、やっぱここ最高」


クッションに包まれながら、私は幸せとともに寝落ちしてしまった。


初めての小説なので、

言い回し、誤字脱字、文法の誤り、表現の改善などがあれば、

感想や誤字報告に書いていただくととても助かります。

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