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争いとは、突然やってくるものだった


神の祭壇に戻り、まだ少し余裕があったので、ドバくんと一回解散した。


そして私は、タナワス事務団長に、イスルさんを会議に同席させることを、アクワヌ大長老に伝えてもらった。


そして部屋で少し休憩してから、再び神の祭壇に出た。


既にアクワヌ大長老と他の長老たちが集まり、イスルさんも他のシャーマン、そしてダネブ戦士団長と一緒に後ろで待機した。


私のほうでは、タナワス事務団長とドバくんも後ろで待機した。


全員集まったので、2日目の会議を始めた。



『では、始めよう。今日は農業の話をしよう。その後時間があれば別の議題に移る。』


ー『はい、お願いします。』


『今朝、私はドバ団長と一緒にイスルの畑を見学したんだ。そしてイスルから農耕の話を少し聞いたけど、公務ではなかったので、詳細は、アクワヌ大長老、よろしく。』


ー『はい、まずは視察ありがとうございました。私も先程イスルさんから今朝の話を伺いました。基本的に私からお伝えすることは既にお耳に入っていると思いますが、重ねることになりますが、畑が集落からだんだん遠くなったことには、正直今一番の悩みです。』


『分かった。』


ー『また、先代の大長老は、確かにいくつかの改革を行いました。これは私も同じ推測ですが、もし亡くなられていなかったら、恐らく農耕、狩猟、採集についても手を付ける予定だったと思います。』


『確かに、その可能性は高い。』


ー『その改革の土壌自体は、先代の大長老によって既にこの部族に与えられました。従いまして、神の代理人様に、先代の大長老が成し遂げたかった改革を、引き続き行っていただければ幸いです。』


『私もそう思っている。実際問題、部族の成長が既に頭打ちになっていると思うので、これらを素早く着手しない限り、これ以上の成長は見込めない。』


ー『おっしゃる通りです。ここ数年間の成長は既に緩やかになってきました。では、実際にどのようにすればいいでしょうか?』


『そうだね、狩猟と採集の担当はここにいないが、できればこの後詳細に伝えてもらいたい。農耕では、とりあえず複数の農作物を交代で栽培する「輪作」を導入し、合わせて農具を改良して、土壌をより深く掘り返せるようにしよう。また、川に近い耕作廃棄地を、近いうちに「水田」へ実験的に転用してみたい。そして、労働力の補助としての水牛等の輸入も近いうちにロッコで交渉を行いたい。詳細は会議後にまた話しを詰めよう。』


ー『承知しました。では会議後に、担当のイスルと詳細を詰めましょう。労働力については特に心配ないと思います。』


『頼む。また、狩猟に関しては残しつつも、徐々に『畜産』に転換したい。最終的には駆逐のみのところまで抑えられれば成功かと。合わせて豚と食用牛の輸入、そして豚と鶏、鴨などの飼育を試したい。もし鶏肉に抵抗感があればなれるまで肉は少量でいいと思うが、私個人的には、栄養価値の高い鶏卵はほしい。』


ー『承知しました。正直私には先程からいくつかの言葉についていまいち理解が追いつきませんが、後ほど詳細をお願いします。』


『分かった。後ほど詳しく伝えよう。採集についても同様で、果樹園として量産体制が整えれば、比較的に長期に渡って安定供給が期待できると思う。』


ー『確かに、定期的に取れればそれに越したことがありません。』


『ちなみに、これらの話については、ここ中央集落だけではなく、部族全体で取り組みたいので、それぞれの集落の特性に合わせて中核産業を決めたい。』


ー『となりますと、一度現地視察が必要ですね。』


『はい、それもできるだけ早いうちに、とは言いたいが、流石に他の議題もあるのですぐには難しそうだが…』



と、農畜産について話をしている最中に、入り口のほうから一人の戦士が入り、後方に待機しているダネブ団長に耳打ちをした。


昨日の会議中では、特にこのようなことが起きておらず、基本的に長老や団長からの指令を下す時のみ招いたが、団員が特にこちらの指示もなしに入ってくるとは、もしや何かあったのか…


そう思って注意深くダネブ団長の顔を観察すると、最初は驚き、そして段々と怒りに変わった。


ー『ダネブ団長?』


私より早く、アクワヌ大長老が声を掛けた。


ーー『神の代理人様、大長老様、今受けた報告ですが、今朝北の集落に襲撃を受けたとのことです。』


『!?』


ー『で、どうだった?』


ーー『はい、昨日のうちに人員調達が完了したばかりですので、防衛力が上がり、見事に撃退しました。また、幸いなことに、特にこちらに死傷者が出ておりません。』


ー『それはよかった。向こうは何人ぐらいだった?』


ーー『恐らく偵察目的なので、5人でした。一人は捕まり、他の四人は打ち取りました。』


ー『よし、よくやった。』


『団長、捕まった一人は、どうするつもり?』


ーー『まだ決まっていませんが、5人の中のリーダー格なので、私がこれから現場に行って話を聞こうと思います。』


『分かった。すまぬが、私も同席する。』


ー『神の代理人様!』


『大長老、私は、この部族に関しては、第一に軍事力だと考えている。つまり現時点で北側に外部からの脅威が消えていない状態を、いち早く理解する必要があるので、たとえ戦争中でも私は現場にいくつもりだ。』


ー『承知しました。では本日の会議はこれで終了する、という認識で大丈夫でしょうか?』


『その認識で大丈夫。大長老は中央集落で待機し、北長老はダネブ団長とともにダデイ集落に戻り、私も近衛団を連れて行くので。』


ーー『神の代理人様、剣が、剣が…』


『ん?』


ちょうど大長老らに指示を出したときに、ダネブ団長は何かを見てしまったような顔で私の後ろを指した。


遅れてその指先の景色を見た大長老を始め、他の長老やシャーマンたちも、驚きの表情を浮かべた。


私も振り返って見ると、昨日私を呼んだあの神託剣が白く輝いている。


『…これはいったい』


特に神から何も聞いていなかったので、正直私もどう反応すればいいか分からなかった。


『この現象について私もよくわからないので、私は途中で禁忌の地に寄ってから、現場に行くかどうか改めて判断する。その前提で動いて。』


ー『畏まりました。』



緊急事態の発生により、途中で会議が終わったが、二日目にして不本意にも紛争を先に解決しなければならなくなったのだ。


できれば、武器と防具を先に整えてからにしたかったが、起きたことは仕方ない。となれば最善の一手を探すしかない。


恐らくそのために、神は神託剣を介して私を呼んだはずだ。


神の祭壇の警備を最小限にして、私はドバくんと残りの近衛団員と禁忌の地に向かった。


初めての小説なので、

言い回し、誤字脱字、文法の誤り、表現の改善などがあれば、

感想や誤字報告に書いていただくととても助かります。

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