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部屋を案内された、専属SPも直属部隊もコミコミだった

大長老と共に集落に戻ると、入り口で戦士団長のダネブが私達を待っていた。



ーー『お帰りなさいませ、神の代理人様、大長老様』


ー『ご苦労。神の代理人様、ではこれからお部屋をご案内します。』



戦士団長と合流したあと、大長老に連れられ、私達は神の祭壇、私が呼ばれた場所にやってきた。


祭壇の中に入り、数人のシャーマンがいただけで、他の人間はおそらく集会所とかに行ったんだろう。


そしてもちろん言うまでもなく、真ん中には、相変わらず私をここに呼んだあの長い剣が突き立っている。今光ってはいないが。



『大長老、ここは祭壇では?』


ー『さようでございますが、あちらにドアがございまして、あそこが神の代理人様のお部屋になります。』


『えっ、ええぇーーー!?そうなの?』



ま、まさかの職場直通、職住近接ではなく職住一体?ドアツードア0秒、リビング兼会議室?オンライン会議システムより早く、いつでも会議が始められる、作業効率抜群、マジでコスパ最高。ははは、これから一族を繁栄に導く私にとっては確かに最高のお部屋だな。ははは…


はぁ、幸い、壊れない体を授かったので、使い潰されて過労死まっしぐらという未来は訪れないけど…



ー『はい、神の代理人様はとても重要なお方ですので、正直言って神の祭壇以外、ご用意できる場所がどうしても思い浮かびませんでした。』



まあ、私の格を考えるとそうなるよね。逆に私がお迎えする側だったらおそらく同じ結論を出すはず。



ー『それに、こちらは集落の中心地であり、かつ祭壇を通ってからしか入れませんので、とても安全です。』



まあ、高床式住居だからそっか、考えれば一理はあるし、まあ逆にすぐに逃げれないという危険性もなくはないが、私は無敵の体だからそもそも心配はいらないけど…



ー『また、警備をする戦士については、戦士団に用意させましたので、詳細は戦士団長、説明を』


ーー『はい、我々戦士団より、警備を行う戦士を交代を含めて計10名、用意しました。配置としては、2名は入り口、4名は祭壇周囲の警戒を任せました。』


『わかった。』



まあ私自身はいらないが、やはり急に誰かに部屋にでも入られたら嫌だし、体裁も気にする必要があるので、ご厚意をありがたく受け止めた。



ーー『また、神の代理人様のお側には、戦士団長見習いのドバが付きます。親自慢ではございませんが、我が息子は見た目は若いが私と副団長に次ぐ強さをもつ男です。実績もしっかり持っています。』


ーー『それと、戦士団は全員素性に問題ございませんので、ご安心ください。万が一無礼なことでもありましたら私が推薦の責任を持って厳罰します。』



「親自慢ではない」とわざわざ言った時点ですでに親自慢だけどね、まあでもドバくんは、たしかに若いけど頼もしいから、仮に私が無敵の体じゃなかったらきっとこの選択肢に異議を唱えることないだろう。しかし実績かぁ、それについては首狩り以外考えにくいので、とりあえず今は考えたくもないし聞かないでおこう。



『ドバくん、よろしくね、頼んだよ。』


ーー『よ、よろしくお願いいたします、命にかえても神の代理人様の安全を必ずお守りいたします。』



あら、百戦錬磨でもやはりこういうときは緊張するのか、なんか、かわいい〜♡ 



ー『ちなみに、ドバに関しては、戦士団長見習いから「神の代理人様の近衛戦士団長」へ異動しました。先程の10の戦士に関しても「神の代理人様の近衛戦士団」の所属に変更しました。この時点からは神の代理人様の直属となりましたので、ご自由にお使いください。』



おそらく私がいないところで戦士団長と大長老はすでに調整済みだろう。すばらしい業務連携である。


それと、私の安全の心配はいらないとはいえ、これから集落の外に行くときには、体裁のことを考えても随行の人員が必要なので、いちいち大長老を通じて調達するのも効率が悪いし。


そして、大長老は私の部屋から反対側にある部屋を指した。


ー『また、ドバ団長は、神の代理人様のお部屋の反対側にある、そちらの部屋に転居させましたので、いつでもすぐに呼び出せます。』



ほほぉ、専属SPときたか、まあ既に神の代理人近衛戦士団員は専属SPのようなものだけど、ドバくんは住まいまで移動して、ようするにこれから私にピッタリくっついてくるってことだね。ふふふ、昔からの癖で、なんかとてもいじりたくなってきちゃった。



『ドバくん、これでお隣さんだね、私、いろいろわからないからー、ドバくん、たくさん教えてね〜』


ーー『は、は、はい、はい、しょ、承知いたしました。専属は初めてですが、お期待に添えるよう一生懸命努めてまいります。』



ふふふ、ドバくんは予想を裏切らないね、あ、また顔を真っ赤にしてー。あらら〜かわいい〜♡



ー『それと、集落の日常業務に関しては、同じく直属として、今祭壇に来てもらっているシャーマンたちを「神の代理人様事務団」として任命しました。こちらの方たちはとても優秀なので、公私問わず処理したい業務や雑務はすべて安心して任せられます。』


『それはとても助かる。』


ー『交代で、常にこの祭壇に複数人いるので、いつでも対応できます。』



そして近くにいたシャーマンがやってきた。



ーー『ご挨拶遅れました。この度神の代理人様の事務団長として任命されました、タナワスと申します。今後ともご指導のほどどうぞよろしくお願いいたします。』


『タナワス団長、これからは頼んだよ、よろしく』



私が大長老にお願いしようと思った役人部隊が、まさか既に用意されていたとか、さすが大長老、なかなかやるね。


少し整理すると、ここに来てあっという間に私に専属かつ直属の役人部隊とSP部隊ができた。


もともと80人の正規団員しかいない中央集落からすでに私の指示により10人を北の集落に異動したので、残り70人のうちを10人こちらに配分したのか、なんか贅沢すぎるかも、しかしこれだと先程依頼した製鉄所、煉瓦窯の建設と粘土の運搬の人手に問題ないのかな?



『大長老、一つ聞きたいんだ。戦士団10人を私の専属にすると、先程お願いした、今後の建設や運搬について、人員問題はないのか?』


ー『そちらについてはご安心ください。ちょうどこの時期は、団員見習いが正規団員になる時期でもあり、今年はあらたに全集落から40名が数日後正規団員に任命されます。また、団員見習いは全集落に数十人います。ほかの仕事をしながら予備団員を目指している方もいます。』



軍人比率が高い…現代では、仮にあのミドルロケットマンが率いる北ハンクック国でも軍人数は全人口の5%しかないだ。この集落ではすでに超えてる。まあでもよく考えてみれば当然か、この時代の先住民族は、男は基本的に狩猟と防衛がメインなので、正規団員の数だけ見るとむしろボアスア族はまだ他の部族より他産業の兼業者や従業者が多くて助かるのだ。


それに製鉄や運搬に関しては結局戦士団が担当するのであれば、私としてはむしろこのままのほうがありがたい。



『わかった。仮に人手が必要であれば、近衛団からも調達しろ。製造と建設を最優先にしたいんだ。』


ー『承知しました。そのときには改めてお伺いします。』



そして大長老はダネブ団長とドバくん、タナワス事務団長に向かって伝えた。



ー『戦士団長、近衛団長と詳細の引き継ぎを頼む、事務団長も一旦私の配下と引き継ぎを』



それぞれの引き継ぎが開始したのを横目に、大長老は私を部屋の中へ案内した。



ー『ナオ様、こちらがお部屋になります。』



部屋の中はそこまで広くなく、奥に向かって細長い形の、だいたい6帖くらいの広さ。この時代とは思えないほど綺麗な状態で、そして奥に一段と高いところに寝るための、高級そうな布団が敷いてある。


手前のところに、ローテーブルと座布団、そして物置の棚が置いてある。高級布団もそうだけど部屋にローテーブルがあるのもまた意外だった。私の知識ではどれもこの時代の部屋に存在しないものだ。



『アクワヌさん、聞いてもいいかな、確か、あのふわふわな布団とこのテーブルは珍しいと思いますが…』



禁忌の地には神は机を用意しているので最初は普通だと思ったけど、よく考えたらこの時代はテーブルは主に屋外で作業用として使われるものであって、文字を書かないので、集会所とか祭壇とかのように物を置くために用意する以外、室内、ましてや部屋に置くのはとても不思議だ。



ー『アビンさんが、「神の代理人様にはふわふわな布団とテーブルが必要なので部屋に用意してください」と言いました。またこちらの布団に関しては、アソック族経由でハン族から調達しました。』


『さすがアビンさん、気遣いが細かいな。ちなみにローテーブルにおいてあるこの花束は?』


ー『実はナオ様のお部屋は、先程ご紹介したイスルさんとその娘たちが準備を行いましたので、こちらのお花は恐らく次女のシロゴちゃんが用意したと思います。あの子はお花が大好きなので』


『なるほど。とても綺麗ですね。シロゴちゃんには今度挨拶してありがとうを言っておきます。』


ー『そうですね、南のナムゴ集落をご案内するときにご紹介しますね。今日の昼頃にここを出たばかりで、長期滞在だと聞いておりますので、恐らくしばらくは戻ってこないと思います。』



そうなんだ、長期滞在か、となれば私も今度ナムゴ集落の視察の際に、ついでにあってみよう。


そういえば思い出したが、今日はクリスマスイブ、つまり12月下旬なのに、私ここに来てから一度も寒いと感じていないな。あっ!あれか、傷つけられないように外的要因としての寒さによる身体温度低下を自動的に排除した、神の力だったのか。


じゃああの高級そうなお布団って、そもそも意味なかった?


初めての小説なので、

言い回し、誤字脱字、文法の誤り、表現の改善などがあれば、

感想や誤字報告に書いていただくととても助かります。

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