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九話

「さっさと支度をして貰えるかしら、剣聖様?」


ソフィアは慌ててそこにあった椅子に座る。

座ったソフィアに、ホオズキが気まずそうに耳打ちした。


「貴殿が主役なんでしょう…?なら貴殿が上座に座わるべきでは…。」


「…!!」


ソフィアは再び立ち上がると、上座に座った。


「さっさと食べるわよ、あたしはお腹が空いているの。」


イザベラはクローシュ(高級店などに出てくる銀色の蓋と皿)を開け、食べ始めた。


「こら、ザーベェ!」


ラドルファスが口を挟むが、イザベラの皿の食べ物はとめどなく減っていく。

ラドルファスはため息を吐き、イザベラに続きなんとなく食べ始めた。

ランドルーフもそれを見ると、黙って食べ始める。


一方、ホオズキは料理の前で手を合わせ、何故か一礼。


「全てに感謝、頂きます。」


ソフィアは過去にも、ホオズキのよく分からない祈りを見たことがある。

この文化はステラでもあまり見ない。

それを見て軽くてを合わせると、ソフィアも食べ始めた。


食べ始めて少したった頃───


「ルーファもランドルーフも、よく手掴みで食べれるわね…。ホオズキさんに至っては、逆によくそんな二本の棒で…器用だわ。」


イザベラが、沈黙を遮るように言う。

それにつられたのか、ランドルーフも口を開いた。


「ボク達からしたら、よく刃物と三股の槍で食事ができるのか不思議で仕方ないよ。」


「手で食べたら汚いじゃない!それにこれは刃物じゃないし、これも三股の槍じゃないわ。これがナイフで、これはフォーク。」


イザベラが説明した所で、ホオズキも乱入する。


わたくしは、流石にフォークとナイフは存じておりますが…あまり使いませんね。」


「器用だよなぁ。ね…いや、ホオズキさんって!」


ラドルファスも、ホオズキに続いた。

話はどんどん盛り上がっていく。


「というか、この料理味が濃すぎじゃないかしら?」


「私もそれは少し思っていました…。」


「嘘だろ?!皆の口に合うようにって言ってたから、多分いつもより薄いぞ。オレ自身もそう感じる。」


「というか、これ美味しいね。ズズズズ…」


ランドルーフがスープを啜った。

しかし、それにイザベラが異論を唱える。


「ちょっと!そのまま何も使わずに飲むなんてダメよ!」


「ん?ボクはいつもこうだよ?」


「というか、この汁物はなんですか…?トロっとしていますが?」


「シルモノ……ってなんだ?ポタージュじゃねぇのか、それ?」


「シルモノとやらは知らないわ、というか、ポタージュ・リエではないの?それだとポタージュ・クレールと区別がつかないわ。それより、これはクレームよ。」


「ぽたあじゅ…?くれいむ…?スープと何が違うのです?」


「具が入っていないスープなんてあるの?!」


「ボクの飲むスープには具が入ってない。」


「それらを我が集落では、全て汁物と呼びます。」


「嘘だろ?!全てのスープの味が同じなのか?!」



ソフィアは混乱して来た。

あの時は、皆こんなに沢山話していただろうか…?


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