誰かいませんか?
心地いい押し問答に挟まれて、ひとりぼっちの夜に耽る。
誰かが悪い訳じゃない。
怪しい道を避けてたら、望み通りの堂々巡り。
道先案内はそっぽ向いてる。
助けて!発音が気になって、練習ばかりに精を出す。
誰か居ませんか?イントネーション気になって、練習ばかりで根を上げる。
涼しい空調、頭を冷やせ。
打ち上げ花火を思い出せ。
誰もが見惚れるきらびやかな光と音の爆発。
助けて!もっと高くに言い放て。
誰か居ませんか?もっと広くに言い放て。
ありふれた夜に響かせ、惨敗の爆発音。
ひとりぼっちの夜に光らせ、降伏の照明弾。
後ろ指が突き刺さった面影、目印はここ。
何処までも続く曲がり角、諦めないで。
マスクから漏れる呻き声、空耳じゃないよ。
誰か隠れていませんか?ありふれた夜の中に。
降伏の照明弾が、水浸しの田園に佇む人影を照らしてる。
惨敗の爆発音が、水浸しの都市に雪崩れ込む悲鳴を代弁してる。
誰かいませんか、誰もいませんか?
返事もない静寂、空耳じゃない。