表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/3

試験開始



あれから5ヶ月経ち、とうとう試験当日になった。俺の実力なら入学なんて簡単だ。あれだけやったんだできないわけがない。


「これから試験を開始する」


試験官らしき女性の人が全員に聞こえるように声の大きさをあげる魔導具を使って喋り始める。あれが魔導具か、初めて見たな。


「今年はここにいる200人全員で戦いあってもらう。もちろん殺すことは禁止だ」


はぁ!?去年までは筆記テストだっただろ!筆記テストって聞いて勉強ばっかしたのに意味ないじゃん。


「今からこのバッチを配る。配られたら胸につけてくれ」


試験官の人たちからバッチが配られる。


「さっきつけてもらったバッチを壊しあってくれ。そして残り100人になるまで守りきれ。それでは今から5分後に始める。会場はこの学園全てだ。それでは始め!」


試験官の合図で一斉に散らばっていく。俺もこうしてはいられない急いでいい場所を確保しないと。


学園の校内を走り回り、いい場所がないかさがす。てかこの学園広すぎ、どこがどこなんだかまったく分からん。迷っちまうぜ。


そして5分が経過したという合図が試験官の人によって送られる。結局5分間探し続けたがいい場所は見つからなかった。


「お!いいカモを見つけた」


歩いていると、オロオロと怯えながら周りをキョロキョロ見渡している挙動不審の男がいた。あいつぐらいなら俺でも勝てそうだな。


俺は背中に背負っている真っ黒な剣を抜き斬りかかりに行く。


「うわぁぁぁああああ!」


男は俺に気づいて叫ぶ。悪く思うなよ俺には目的があるんだ。男に向かって縦に剣を振り落とす。もちろんただの峰打ちだ。


「うわぁぁぁああああ!なんてな」


剣が当たった瞬間男は煙のように消えた。


「幻惑系の魔法か。この魔法を使える奴がいたとは油断した」


この魔法の対処の仕方なら分かる。先ず目をつぶり相手の気配を読んで……。


「そこだ!」


真後ろに剣を振り落とす。何かに当たった感じがあった。フッ、ただの峰打ちだ安心しろ。


「バーカ、後ろだよ」

「なっ!?」


背中に火の玉が当たった。熱い、熱い。こいつ魔法使うの上手いな。俺なんか使うこともできないのに。


「どういうことだ!さっき当たったはず…」


剣の先を見てみると地面に刺さっていた。さらに抜けないという絶対絶命の状況になった。


「お前まさか……地面の中を移動できるのか」


そうに違いない。じゃないとこの俺が外すわけがない。この最強と呼ばれた俺が。(呼ばれてません)


「……いや違うから」

「なに!?じゃあどうやった!答えろ!」

「いや、お前が弱いだけだろ」

「お前は、お前は俺を怒らせた!ただですむと思うなよ!」


男の方はすごく面倒くさそうな顔をしていた。よし今がチャンスだ。行くぞ!


「俺の家に代々伝わる最強奥義!煙玉!」


思いっきり地面に投げつけ、煙があがる。その煙に紛れて逃走する。


「くそ!やられた!」

「はっはっはっ!残念だったな!」


俺はそいつから一歩でも遠くに逃げる。一時はどうなるかと思ったが、よかった剣が抜けて。


まさかこの最強と呼ばれたこの俺(呼ばれてません)が逃げることになるとは、まったく強者(つわもの)揃いで参ったぜ。




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ