スキル
突然だが、今日は俺の15歳の誕生日だ。俺はこの時をずっと待ち望んでいた。何故待ち望んでいたかというと、15歳になると女神からスキルが貰えるからである。
「次の人どうぞ」
とうとう俺の番まで回ってきた。どんなスキルなのかとても楽しみだ。
「この紙に手を置いてください」
言われた通りに白紙の紙に手を置く。すると手を置いた瞬間、紙から文字が浮かび上がってきた。浮かび上がってきた文字はこう書いてあった。
名前 ゼロ 男 15歳
スキル
【物理攻撃Lv1】 不明
分析できないスキルだと!これ超レアとかなんじゃないの。百年に一度の逸材とか……違うな。どう考えてもゴミスキルだろ。
「終わったのなら早く帰ってくれませんか?次の人が待っているので」
「すいません。すぐ帰ります」
家に帰る足取りがすごく重たかった。
「ただいま」
ただいまと言っても誰からも『おかえり』という言葉は帰ってこない。そりゃそうだ。俺の親は5年前に魔族によって殺されたのだから。
とりあえずベットに寝転んでこれからのことを考えることにした。先ず俺の目的は魔族どもを根絶やしにすること、親を殺した復讐のために。
俺はとにかく考えた。どうやったら目的を達成できるか。そして俺は一つの考えにたどり着いた。それは学園に入ること。俺のスキルは多分使い物にならない。なら俺自身が強くなればいい。幸いなことに親父が残した財産がある。あとは知識さえあればいい。
「たしか親父の部屋にたくさん本があったな」
親父の部屋に行ってみるとずらりと本が並んであった。その中の一冊を手にとって読んで見たが、全く理解できない。だがやるしかない。頼れるのは己のみ。俺の目的のためには絶対に入学しないといけないのだから。
俺は毎日のように寝る間も惜しんで勉強した。もちろん身体を鍛えることも忘れずにやった。