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手紙が届くなんて聞いてない 1/3 ▲

流石にこれだけ嫌がらせを受けると、何かしら対策を打たなければならない。


そう思って靴や教科書類が入った鞄を一応身に付けるような生活を送っているのだが、正直重いし面倒だし目立つしで、あまり良いことはない。


まぁ、無くなるよりはましではある。


そうした日々により、机の引き出しをあまり使わなくなったけれども、相変わらず引き出しの中にはお兄ちゃん宛の手紙が郵便受けのように入っているため、一日一回は引き出しを開けて中身を確認するのが私の日課だった。


相変わらず今日も沢山手紙があるなぁと思いつつ手紙をまとめていると、お兄ちゃん宛の手紙の中に紛れて、白い封筒が入っていた。


「なんだろうこれ」


自分の席に座っていた美琴が、その声に反応して私の席までやってきた。


差出人も宛名も書いていないその白い封筒は、そこそこに分厚くて、普段入っている手紙とは違う雰囲気を醸し出していた。


「湊さん宛かしら。それにしては洒落っ気がないわね」


そう。それだ!洒落っ気がないのだ。こう、ラブレターなら大抵可愛かったり綺麗な封筒に入っているものなのに。


「ふーん。宛名も差出人も書いてないのね」


私から手紙をひょいと取り上げた後、表裏を確認した美琴はそういうと、少しだけ糊がついていた封筒の封をぺりっと開けた。


「ちょっと美琴」


お兄ちゃん宛の可能性が高いんだから勝手に開けるのはどうかと思うよ。


そう抗議しようと思っていたのに、美琴の青ざめていく顔に、私も中身を確認せざるを得なかった。


「なに、これ」


中には写真が入っていた。


その写真がお兄ちゃんの写真でもどうかと思うけれど、そうではなかった。


それは、私がスーパーで買い物をしている写真であった。

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