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お兄ちゃんがこんなに人気者だなんて聞いてない!1/2

あー。眠い。


記念すべき高校生活第2日目の朝の感想はこれだった。


通学時間としてはそんなに中学生の時と変わらないのだが、電車通学となるといろいろな不測の事態に合わせて少し早く家を出ないといけないのである。


徒歩通学だったら最悪走れば時間調整出来るけれど、電車だとそうはいかないし、あまり混みすぎている電車には乗りたくないので、結果として中学生の頃よりも早起きしないといけないのだった。


しかしこれでもまだ幸せな方だ。駅の近くに家はあるし、電車に乗っている時間も短い方だし、それに二つ分のお弁当を作るお兄ちゃんよりも、私は長く眠ることができるのだから。


……本当は自分の分のお弁当は、売店で適当に買うつもりだった。


いや、節約をするべきならば私も頑張って毎日起きるけれども、節約しなければならなさそうな気配は三枝(さいぐさ)家には今の所ないし、それにお弁当代をたくさん親からもらっているので、別に買っても良いだろうと思ったのだ。


けれど、「一つでも二つでもそんなに変わらないから、僕が唯花の分まで作るよ」という兄の一言により、お兄ちゃんがお弁当を作ることになったのである。


お兄ちゃんのご飯はそこらへんのお店のご飯よりも美味しいのでお弁当を作ってくれるのは嬉しいのだけれど、部活の朝練もあるのに大変じゃないのかなーと思う。


思うけど、私が作ろうという気にはなれない。無理。少しでも朝は寝ていたい。


というわけで、本日は兄の手作り弁当を携えて電車に一人で乗っているのだった。


お兄ちゃんは今日から部活の朝練が始まるらしく、朝起きた時にはすでに家にいなかった。


去年全国大会に行った部活は大変だなぁとも思っていると、学校に到着した。


靴箱で靴を履き替えて、教室へ向かう。隣の靴箱を確認したところ、美琴はまだ登校していないらしい。


うう。美琴がいるからクラスで友達できないとかはないとは思うけど、緊張するなぁ。


「あ、三枝(さいぐさ)さんだ!」


「三枝さんおはよう!」


「おはよう!!!」


そんな緊張感持ちながらクラスに入ると、未だ嘗てないくらい皆におはようと言われて相当びっくりしました。


「お、おはようございます……?」


え、そういう校風なの?クラスメイトが登校したらすごく挨拶をするような校風なの?1日目にして他のクラスメイトは校風を把握しているというの?それともうちのクラスだけなの?


と思ったけれど他のクラスメイトが登校しても普通にスルーされていたので、どうやら私限定のようだった。

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