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生徒会長になっているなんて聞いてない!2/2

「久しぶり、美琴」


春休み中はお互い、受験で消化できていなかったアニメやゲームを消化していたので、実際に会うのは久しぶりだった。


とはいえツイッターやラインで話していたので、あまり久しぶりという感じではないけど。


「あー!それが新しい携帯かー!いいね、iPhone」


初めてのスマフォということでいろいろ悩んだのだが、一緒に機種変するというお兄ちゃんが、iPhone使いやすいよ、とオススメしてくれたので、iPhoneにしたのだった。


「悩んだんだけどねー。お兄ちゃんのおすすめだったし、一緒に機種変したお兄ちゃんと同じ機種にした方が分からなかったら教えてもらえるからいいかなって思って」


もともと機械がそんなに得意ではないので、お兄ちゃんが教えてくれるなら同じ機種の方がいいな、と思ったのだ。


だけど人気の色にしたら同じ色になってしまったため、携帯カバーをつけているとはいえ間違えないようにしないといけない。


「へー同じ機種にしたんだ……。ところで隣座ってもいい?」


「あぁ!どうぞどうぞ。美琴さんのために椅子取っておきました」


急いで隣の椅子に美琴のために置いておいた鞄を退けて、美琴に席を譲った。


「あんたはあたしの舎弟かっ」


そう 半笑いしながらツッコみつつ、美琴は椅子に座った。


そうして春休みに見たアニメについて話しているうちに、入学式が始まった。


校長先生の話やPTA会長の話などを長いなぁと思いながら私は神妙な顔をして聞く。


さっきから隣で微動だにしない美琴はもしかして寝ているのかもしれない。美琴の特技は寝ていることを悟らせないほどの堂々と寝ることだから。その昔舟を漕ぐなんて愚かなことはしないわ!って言っていたけれど、本当に舟を漕いでいる美琴を見たことがない。


寝ている自分をどうやってコントロールするんだろうか、と考えていると、在校生代表の挨拶になった。


はっきり言って知らない先輩の話を聞いても仕方がないし、それよりも早く入学式を終わってほしいなー。


そう思っていたところ、登場したのはお兄ちゃんだった。


「新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます。生徒会長の三枝湊です」


しかも生徒会長だった。


えぇ。生徒会長になっているなんて聞いてないんですけど。いつから生徒会長になってたの?今日急に任命されたとかなの?だから私は知らなかったの?


そう思って美琴を肘で起こして聞くと、


「確か文化祭で生徒会長交代じゃなかったっけ……。っていうか、知らなかったの?とっくに知ってるもんだと思ってた」


と小声で言う美琴は相変わらずいろいろ詳しい。


美琴は交友関係広いもんなー。おしゃれも好きなのでギャルっぽい人とも仲良くできるし、社交的なので友達多いし。


ぐるぐると渦巻く思考の中、唯一つ言えることは、スポットライトを浴びて堂々としているお兄ちゃんは本当にきらきらと輝いていて、校長先生やPTA会長なんかよりもずっと、ステージの上に立つのに相応しい人間だった。


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