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誕生日プレゼントなんて聞かれても困る。 4/5 (side 真咲)

「へ、へー。じゃあ、今は唯花ちゃんの使ってることだし、道具の管理徹底的にすることにしたんだ?」


確かに湊は人気者である、という点を加味すると些か管理が甘かった気がする。


シャーペン机の上に放り出したまま平気で売店行ったりするし。


元々湊は物を無くしても特に気にしないタイプだから、犯行がエスカレートしたのだろう。


本当に湊は物に対して関心がない。部屋も驚くほどスッキリしてるし。


「え?何言ってるの?俺が唯花がくれた物、使うわけないじゃん」


「はぁ?今お前のテーブルの上にあるシャーペン、唯花ちゃんがくれたの!って自慢してたの、思い出したんだけど」


お前こそ何言ってるんだよ。びっくりしすぎて削除したはずの記憶が蘇ったわ。


「違うよ!ちゃんと説明したのに、真咲聞いてなかったでしょ」


それについては否定できない。


「これは唯花がくれたシャーペンと同じシャーペンを大量に買って使ってるの。言わば替え玉なのです。手ぬぐいとエプロンも同様」


ドヤ顔で湊は説明してるけど、正直全国模試一位の頭脳で考え出すことじゃないと思う。


「つまり、本当に唯花ちゃんがくれた物は使っておらず、湊が改めて買った物を使っていると、そういうことですね?」


最近は撮影しただけでどこの商品か分かったりするしな……。


もしその方法で分からなかったとしても、きっと執念で見つけるのだろう。


忙しくてあまり時間が取れていないとは思うけど、二ヶ月かけてクリスマスプレゼントを探す男だもんな……。


「そういうこと。本物は直射日光が当たらず風通しの良い暗いところで大切に保管してるんだ」


そこまでの報告は聞いてないです。


「湊くんって案外闇が深いんだね」


桐葉がしみじみそう言うけど、俺もそう思う。


今まで光が強すぎて闇が見えなかったんだろうな……。唯花ちゃんという特殊なフィルターを通してようやく闇が見えるのだろう。


「そう?俺にとっては俺が普通だから分かんないし、別に自分がどうこうとかは興味ない。……他に案が出ないならやっぱりダイヤの指輪かな」


家庭毎に常識があって、それが普通なわけだから、普通って本当は人の数ほどあるものなんだと思う。多数派が普通を名乗ることが多いけれど。


だけどダイヤの指輪だけはない。それだけはない。

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