誕生日プレゼントなんて聞かれても困る。 3/5 (side 真咲)
いや、当日の食べ物の話は重要じゃない。
ケーキはその日食べきれなくても冷蔵庫に入れて次の日食べれば良いんだし。
問題はプレゼントだ。プレゼント。
「そういえば、お前の誕生日夏だったよな?確か、唯花ちゃんからプレゼントもらったって自慢してた記憶があるけど……。何を貰ったんだっけ」
話を聞いた記憶はあるが、あまりにも湊が毎日毎日自慢してくるため、忘れたら湊に聞けば良いやと思って、記憶からプレゼント内容を消去したので覚えてない。
「唯花は誕生日にシャーペンと手ぬぐい二枚くれて、クリスマスにはエプロンをくれたよ」
そういえばそうだったな……。
というか、唯花ちゃんのプレゼントめちゃくちゃ実用性高いな!
「ってクリスマスってお前、何あげたの?サンタさんの相談を受けた記憶しかないんだけど」
相談されても面倒だけど、相談されないとすっごく不安。
ぶっ飛んだものあげてないよな……。
「クリスマスは自力で頑張ろうと思って、10月ごろから暇な時にずっとお店巡りをして、良さそうなお店の店員さんおすすめのネックレスあげたよ」
うわー。実用性の重視の唯花ちゃんと対照的に湊ったらロマンチック!
っていうか、彼氏ならともかく家族になってたった八ヶ月の一歳しか年の違わない義理の兄からのクリスマスプレゼントがネックレスって重くないか?
俺だったら重すぎてどうしたらいいか分かんないや。
「……唯花ちゃんの反応は?」
「大事にするねって言ってくれたけど、使ってるところ見たことない」
ですよねー。
「じゃあ、誕生日プレゼントはダイヤの指輪だね!!」
うぉい!桐葉!久々に口を開いたかと思えば、真面目なアドバイスに飽きたからってふざけたアドバイスを言うのはやめろよ!!
こいつ金持ちなんだからな!ダイヤの指輪くらいぽんって買いそうなくらい金銭感覚俺たちと違うからな!
その昔こいつの私服がおしゃれすぎて、洋服どうしてるの?って聞いたら、行きつけのお店で親しい店員がおすすめしてくれる洋服を適当に買ってるって言ってたんだぞ!
しかもその店超有名で超高いブランドの店だったから、こいつと買い物に行くのはやめようって思いました。
「ダイヤの指輪か……」
湊も顎手にを当てて考え込むんじゃない!ダイヤの指輪はない。それはない。
「あー、えっと、唯花ちゃんがプレゼントしてくれたから、それでお前シャーペンと手ぬぐい、なんか高そうなのに買い替えたんだな」
代案が思いつかなかったので、とりあえず会話を逸らしてみた。
「っていうか、なんでずっと安いの使ってたんだ?」
湊は高い物をぽんと買うかと思えば、シャーペンやタオルや手ぬぐいなどの一部の持ち物は安い物を愛用しているので、どうして一部の持ち物は安い物を使うのか、ずっと理由が気になっていた。
「いや、それが俺の管理が甘いのかすぐに無くすんだよね。だから、安いのを大量に買っては無くし、買っては無くししてるんだ」
湊……。言いづらいけど、多分それ、お前のファンの子たちに盗られてるんだよ……。