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誕生日プレゼントなんて聞かれても困る。2/5 (side 真咲)

「んー。じゃあ、プラン練って1日お出かけとかは??」


それは良い考えだ。美味しいものを食べた後ウインドウショッピングして、その時に欲しそうにしていた物を買ってあげる。美味しい物と形に残る物の両面作戦。完璧だ。


「それも考えたんだけど、今は受験前の大事な時期だから、出かけるのはやめにしたんだ」


受験生とはいえ誕生日くらい気分転換も兼ねてお出かけも良いかな、と思ったけれど、ちょっと受験前すぎるか。風邪引いたりしたら大変だもんな。


「えー。じゃあ当日も家ご飯なの?誕生日に家ご飯って寂しくない??」


へー。桐葉の家では誕生日は外食する日なのか。


「え、寂しいの?」


湊が俺の方を向いて聞いてきたけど、正直俺にもわからない。


うちは誕生日は家で好きな食べ物を作ってもらう日だから、全然寂しくないけど、桐葉みたいな考えの人もいるだろうし。


「……それは人によるんじゃないのか?」


こういう時に各家庭の常識の違いを感じる。


「なら家でご飯にする」


まぁ、それが今年は無難だよなー。


「ふーん。ご飯何にするの?」


何にするんだろう。料理に詳しくないからよくわからないけど、湊のことだから10時間かけて煮込む、煮込み料理とか作りそうだ。


「ご飯?お寿司を握って、ケーキ焼くよ」


案外無難なチョイスだった。


「え、お寿司をとって、ケーキを買う、じゃなくて?」


甘いな、桐葉。


「いや?お寿司を握って、ケーキを焼くよ」


湊は絶対に言い間違いなんてしないんだぜ。


「あぁ。そういえば最近押し込むだけでお寿司握れるのとかあるもんね。家で作るの楽しいかも」


あるよな。おもちゃみたいだけど割ときちんとしてるやつ。


「いや、ちゃんと一手握り練習したし、きちんと握るよ?」


通りでお前の弁当に入っているご飯の形が俵おにぎりというにはちょっと平べったいなって思ってたよ!!


「ちなみに唯花はお寿司はお箸で食べる派だから、ちょっと硬めに握るのがコツ」


あぁ。また一つ、唯花ちゃんに関するどうでもいい情報が増えてしまった……。


「あと、ケーキは何を作るか迷ったから、小さめなの二つ作るんだ」


二つ……?


「それって何人でお祝いするんだ?」


「唯花と俺だけだよ?……先に言っておくけど、頼まれても呼ばないから」


別に呼ばれようと思ってねーよ!


ただ、一人当たりケーキ一個のノルマって辛くないか?


小さい頃はあの小さなケーキを一人で食べるのが夢だったけれど!


夢だったけど、一人であんなに甘いものが食べられないという現実に既に直面している年だと思う。


甘いもの好きなら別かもしれないけど。



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