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誕生日プレゼントなんて聞かれても困る。 1/5 (Side 真咲)

「うーん」


ようやく冬休み気分が抜けてきた頃、湊は生徒会長の椅子の上で、真剣な顔でなにやら考え込んでいた。


秋の文化祭で代替わりして以降、湊の有能っぷりを改めて身近で見てきたが、三学期は短い期間に行事がいっぱいあって、流石の湊でも悩んでいるのかもしれない。


「湊、何悩んでるんだよ。副会長の俺のことも頼っていいんだぜ」


まぁ、部活行くまでの間だけだけど。


冬の部活はすごく寒いけれど、俺としては夏の暑い部活よりも冬の部活の方が好きだった。


寒さは運動すればなんとかなるけど、暑さは運動すれば悪化するからな……!


とはいえ、夏の剣道も夏の剣道で好きだ。運動してる!って感じがする。


「いやー、もうすぐ唯花の誕生日なんだけど、何あげたらいいかなって思って」


どうせ悩んでる理由なんて唯花ちゃん関係なんだろうな、とは思ってたよ!


「はぁ……仕事ないなら部活行くわ」


一人で好きなだけ考えてくれ、そう思って鞄を持って退室しようとすると、湊は立ち上がって俺を止めてきた。


「いやいや部活まで時間あるでしょ!相談に乗ってよ!」


うわー。面倒臭い。面倒臭いけど、今ここで解決しておかないと余計面倒だな……。


「えー。なになに?唯花ちゃん誕生日なの?」


適当に解決しようと思った矢先、余計に話を面倒にする奴が首を突っ込んできた。やばい。


しばらく桐葉と一緒に生徒会をして分かったことは、こいつは面白いことが大好きだってことだ。


そんな奴に任せたらとんでもなく面白そうなことになりそうだけど、こういう大切なイベント毎で唯花ちゃんの好感度を下げることになって湊の機嫌を損ねるのは最悪なので、ここは俺がしっかりすることにする。


「そう。来週なんだけど、何が良いかな?」


唯花ちゃんのことはいろいろ知ってるけど、何が良いかなって聞かれても困るな……。


俺が思いつくものは湊も思いついてるだろうし。


「桐葉はどう思う?」


とりあえず桐葉にパスしてみる。女の子のこと理解していると豪語するその実力を見せてもらおうじゃないか。


「え?俺?うーん。そうだなー。俺は仲いい女の子の誕生日にはお気に入りのお店のチョコレートあげてるかな」


なるほど。食べ物、という選択肢はありだな、と思った。形には残らないけど、好きな物だったら絶対に外さないし。


「で、彼女には一ヶ月前くらいにあれが欲しいなっておねだりしてくるから、それを買ってあげてる」


彼女と女友達は別なんですか!女の子にきゃーきゃー言われるのも大変ですね!


「唯花ちゃんは何か欲しい物ないの??」


おねだりしてくるの怖いなって思ったけど、こう悩むことを考えると言ってくれるほうが逆に楽だよな。


俺も経験あるけど、誕生日プレゼントというものは本当に悩ましい。


「さりげなく調査してみたけど、ないっぽいんだよね」


まぁ、確かにこいつに買ってもらわなくても大抵自分で何でも買えそうなくらいお小遣いもらってるだろう。

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