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新キャラなんて聞いてない!3/3 (side湊)

「で、教室に入ってきたときに真剣な顔で何の話をしてたの?」



聞く必要もないかな、とは思ったのだけれど、女の子のことなら任せて!というので聞いてみることにした。


「唯花が、インターハイ優勝のお祝いに有名なケーキをわざわざ行列に並んで買ってきてくれたんだけど、『前にテレビで見て凄く食べたかったから買ってきたの!』って言ってたのは俺のために買ってきてくれたんだと思う?それとも、唯花が食べたかったからだと思う?」


「それは普通に唯花ちゃんが食べたかったからじゃない?」


うんうんと真咲まで同意している。そっか……やっぱりそうなのか。


「でもまぁ、唯花ちゃんが食べたかったにしろ、湊くんのインターハイ優勝記念にケーキを買ってきてくれたわけだから、そこらへんは喜んで良いんじゃないの?状況を良くわかっていない俺が言うのもあれだけどさ」


真面目な顔でフォローされてしまった。見た目もだけど、こういうフォローできるところが女の子に人気なところなのかもしれない。


うん。そう思ってこの先 生きていくことにしよう。


最近は脳内補正という技術を覚えたので、唯花のお寿司が大好き!も俺のことが大好き!と言っている風に脳内補正出来ている俺には、このくらいの補正は余裕である。


「授業はじめるぞー」


チャイムが鳴り、先生が入ってきてそう言ったので、俺たちは真面目に授業を受けることにした。


真咲が前に座っているので、千葉は真咲の隣、つまり俺の右斜め前に座っている。真剣な顔をして授業を受けている姿は、最初に登場したときよりもずっと好感が持てた。


その後も、いろいろ話してみたけれど、割と良いやつだった。


うーん。真咲も唯花を手に入れるために必要な人材だけれど、女子の気持ちは任せて!って言える千葉も必要な人材なのかもしれない。


うちの生徒会選挙は変わっていて、生徒会長の派閥を公言することができるのだった。


もちろん無所属も可能だし、所属がばらばらで当選したとしても、辞退しない限りそのまま生徒会を発足することができる。


ただ、派閥を公言することで、副会長の票を真咲に入れてくれた人が生徒会長の票を俺に入れてくれたり、その逆もあったりという風に票を集めることができるのだ。


だから、千葉の女子に人気なところも利用すれば、より生徒会長に近づけるかもしれない。


女の子の気持ちを聞けるし。


夏期講習の選択科目が同じということは来年同じクラスになるかもしれないし、全然知らない人が生徒会に入るよりはいいだろう。


「千葉。俺が生徒会長で、真咲が副会長の生徒会に入ってみないか?」


そういうと、驚いたように目を見開いてそれから千葉は笑った。


「生徒会選挙、一年で出るんだー!ふははっ。いいね、その野心家なところ。いいよー!じゃあ俺、金勘定得意だから会計でよろしく」


手を差し伸べてきたので、握手をした。


これで布陣は揃った。

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