入院することになるなんて、聞いてない 1/2
目が覚めたら異世界でした。
などということはなく、ホテルのベッドの上でした。
あれ?なんで私ホテルのベットで寝てるんだろう。
そう思って周りを見渡すと、左腕に点滴が繋がれていたため、ここはホテルではなくて、ホテルみたいな内装の病室なのだろう。きっと。
え、病院で点滴を受けるレベルの怪我ってやばくない?と思って身体を動かしてみたけれど、特に動かせない部位はなく、とりあえずホッとした。
なんとかうまく階段から落ちることができたらしい。
身体を動かしていると、私が目が覚めたことに気がついたのか、担任の先生とよく知らない人が駆け寄ってきて、ナースコールを押した。
ナースコールで呼ばれた看護師さんと話をしたり、お医者さんのところで話をしたり、念のため頭のCTを撮ったりしていると、意外と時間がかかってしまい、最後にもう一度お医者さんのところに呼ばれた頃には、すごく疲れていた。
病院って意外と疲れる…!早く家に帰りたい。
番号を呼ばれて入った部屋のドアを開けた時の感想はこれ以外にはなかった。
「まぁね、診たところ異常はなさそうですね」
はー!良かったー!お医者さんもそう言うのなら、きっと問題はないのだろう。
「でも一応、念のため一週間入院してもらいますね」
これでお家に帰れる・・・?え・・・?
「え、あの、家に帰ってもいいんですよね?」
何かの間違いかと思って、気が付いたらそう声に出してしまっていた。
「いえ、一週間入院してもらいます」
けれどもそう言ったことを後悔した。お医者さんはさっきもこう言ったよね?みたいな感じの表情を浮かべていたから。
「・・・。疲れているみたいなので、看護師に車椅子用意させますね。ではお大事に」
憐れみを浮かべた表情で、看護師さんに合図をすると、カルテを入力するためか、こちらに背を向けてきたので、どうやらもう診察は終わりらしい。
「こちらに座ってください。病室は先ほどのお部屋になってます」
反論が許されなかった私は、看護師さんに車椅子に座らされ、瀬川さんに車椅子を押してもらい、元いた病室に戻っていくことになったのである。
お待たせしました。今度はしばらく唯花のターンです。
多分作中で回収しないと思うのでここに裏話として載せますが、今回の一週間の入院は三枝家がお金と権力により圧力をかけたせいです。
この先もちょっとなんか普通じゃないかもみたいなことがあるかもしれませんが、大体三枝家がお金持ちなせいです。多分。




