1話
やっとプロローグ的なものが終わりそう・・・です。
大神隠しにあった人間は、全員もれなくこの世界のチュートリアルを受けた。
チュートリアルを受けた場所、そしてそれを行った者の事を誰も覚えてはいない。しかしなぜかチュートリアルで教えられたことは鮮明に覚えていた。
ソチュートリアルで最初に行われた事、それは謝罪だった。
「初めに平和に暮らしていた君達を、突然この世界へ招いた事、深く謝罪する。」
声だけの謝罪、そこに本当に申し訳ないと思う気持ち無いように聞こえた。
「さぁ、本格的な説明に入る前に挨拶だ、私はこの世界のゲームマスター、気軽にマスターと呼んでくれ。基本的にこの世界で行われるゲームは全て私が管理する事になるので、話す機会は多いとおもうぞ。」
冷淡とも、無感情ともとれる声だった。
「さて、ではこの世界の大まかな説明をする。まずこの世界では、君達が以前生活していた世界とは違い特別な力が働いている、君達の世界ではーー奇跡、魔法に例えられる力だ。そしてこの世界に招かれた2526009808人の一人一人に、その奇跡が与えられる、まぁ力の大きさに違いはあるがね。」
言葉に少しの笑みを混ぜてソレは言った。
「それでね、その奇跡ーー力を君達に与えて私が何をさせたいかと言うとね。」
含む笑みを大きくしながら
「戦って欲しいんだ、命と奇跡を賭けて、それを私は観戦したいんだ。理由は退屈しのぎだがね、この世界にはずっと何もなかった、永遠とも思える時間を過ごしたよ、退屈、なんてもんじゃなかった。だから私は考えた。この世界に何もないならーー違う世界から持って来ればいいと、そして招いたのが君達さ、この世界の奇跡を持つにふさわしい生命体・・・人間だ。」
まるでオモチャを与えられた子供のような声だった。
「そうゆう事だ、それで、だ。まずは仲間を作りたまえ、共に戦う、仲間をね。一人で戦うのは心細いだろう?皆で戦えば怖くないし、見ていてそっちの方が楽しいからね。リーダーには力の強いものを選べばいい。」
一息ついて、ソレは言った。
「ざっくり説明したがこれで大丈夫だろう?細かい説明は面倒だからやらないがね、では行きたまえ。
この世界で奇跡を賭けてーー戦いの世界へ。」
意識は、そこで途切れる。
「こんなもんか・・・?」
見つめていた紙から目を離し、一息つく。なんとなくここへ来たときの事を思い出し、覚えている限りの情報を書き綴っていたのだが・・・。
「俺文章力なかったのな・・・。」
改めて読み直すとそう思わざるを得なかった。
「まぁいいか・・・誰が見るわけでもないしな・・・はぁ・・・。」
そこで座っていたソファに寝そべろうとしてーー
寝そべろうとして
思い出した。
「あ!!!!!!!!」
跳ね起きる、文字通りだった。
「やっべぇ今日最強さんたちに呼ばれてたんだったクソッ!」
言いながらドアを乱暴にあけ、ゲートまで走る。
「絶対怒られるよなぁ・・・約束三時間前・・・。」
アウトだった、とゆうかチェンジだった。
「とにかく急ぐしかねぇか・・・!」
こうして|天津時政≪あまつときまさ≫は、ようやく「終」の集まる部屋へ向かいだした。
ありがとうございました