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大学生の通学日記  作者: 羽鳥 たつき
春は出会いの季節編
10/17

第8話 河里トンネル怪談


河里トンネル。

それは緑橋駅と町役場駅の間にあるトンネル。

このトンネルを抜けると田舎風景が消え、それなりに建物が増える。

このトンネルを電車は5分間かけて通る。


これはある日の話である。


たくまおじさんが町役場駅で降りるのでたくまおじさんと俺はそこで別れた。

電車の同じ車両の中には俺を除いて5人いた。

確かに5人いた。


電車が町役場駅を出て、しばらくたつと河里トンネルが見えてきた。

それはいつもの河里トンネルだ。


電車が河里トンネルに入った。

しかし、電車の中の電気はこわれていたのだろうか。つかなかった。

トンネル内にも明かりなどないので、電車内は漆黒の闇と化した。

なにもなにも見えない。

電車のガタンゴトンガタンゴトンという音が響く。


俺は少し怖かった。

それはたくまおじさんの河里トンネルに関する話を聞いたからだ。


河里トンネルは緑橋駅方面からトンネルを掘っていて本来は今のトンネルの出口とは違うところに出るはずだったそうだ。

しかし、トンネル内で落盤事故が発生し、何人も生き埋めになった。それはそれは悲惨な事故だったそうだ。

トンネルは途中まで掘ってあったので、少し引き返し途中から別のルートで作り始めた。

そして出来たのが今の河里トンネルだそうだ。

しかし、どうやらいまでも枝分かれしたもうひとつのルートは残ったままだそうだ。

そこにはいまだ助けられていない生き埋められた遺体が残されている。

そして、耳を澄ますと聞こえるそうだ。

たすけてー、たすけてー。家に帰りたい。外に出たい。

という、声が…


そんな話を聞いたあとだから俺はこの暗闇がなおさら怖かった。

たすけてー、たすけてー。

という声が今にも聞こえてきそうで怖かった。


そんな恐怖に耐え続けた。

そして、ついに電車はトンネルを出た。

暗闇から抜け出したあとの光はとても眩しかった。


そして、俺を含めた6人は無事緑橋駅に着いた。

そう、6人が緑橋駅に着いたのだ…。






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