表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
黄龍の診療所 ― 世界を診る気導士、龍界で開業中  作者: 転々丸
龍界の使者たち

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

13/15

第13話 気導士ギルド まさかの“龍王直属院”になる

ナギの診療所がついに……『気導士ギルド 龍王直属院』に?

診療所の朝は、今日も薬湯の香りと共に始まる。


「ナギさーん、今日の予約分、全員“肩と腰と不眠”のセットです!」


ルカが元気に叫びながら伝票をかかげた。


「三点セットね。今日も気の滞り祭りだわ」


ナギは朝の煮沸が終わった鍼を確認しながら、

慣れた手つきでお灸の準備に入る。


一方、リリナは受付でなにやら分厚い封筒を睨んでいた。


「……ナギさん、これ……どうしましょう」


挿絵(By みてみん)


「また依頼? 今日は午後いっぱい埋まってるけど」


「いえ……そういうのじゃなくて……」


そう言って差し出された封筒には──


 【龍脈書院・神殿連携局】の紋章。


「……龍界、また来たか」


封を切ると、中には金の縁取りがされた厚紙の“書状”と、

書面付きのギルド登録書類が。


ルカが身を乗り出して読む。


「“正式なる神殿連携機関として、気導士ギルドを

龍王直属の治療院として登録します”……って書いてありますよ!」


「気導士ギルド……?」


ナギは眉をひとつあげた。


「え、勝手に名前まで付いてるの?」


「しかも“龍王直属”って、すごくないですか!?」


「直属ってことは……お上がついたってことねぇ」


ハチが窓辺で欠伸しながら言った。


ナギは書状をぺらっとめくる。


「ふーん。“これより、診療は“許可制”とし、

認定ギルド登録の下、活動してよし”……って、なんか、上からだわね」


「え? それ、つまり……?」


「診療を許可されてる代わりに、報告義務が生じるやつ。

ギルドとして認定する代わりに、自由診療じゃなくなるかもの匂いがする」


「えええっ!? じゃあこのままじゃ、

ルカの“本日のラッキーツボ占い”とか、禁止になっちゃいますか!?」


「最重要問題そこ!?」


ナギはしばらく無言で考えた。


そして、封筒に入っていたペンを手に取る。


「……名前は勝手に決めないでください。

あと、診療方針には干渉しないことって付箋つけて返すわ」


「さすがナギさん……!」


「で、ギルド名は?」


「うーん。正式名称なら──」


ナギは紙の隅にさらさらと書き記した。


 《気導士ギルド 龍王直属院》

 (ただし、完全自由診療制・個人方針により運営)


「向こうが“直属”って言うなら、

こっちも好きに書くわ」


リリナが、苦笑いを浮かべた。


「……通りますかね?」


「通すしかないでしょ。

患者さんが最優先なんだから」


ハチがしっぽをふりながらうなずく。


「直属院なのに居心地いいとか言われそうね。」


ナギはぺたっと書状の返信欄にスタンプを押した。


こうして──

診療所は正式に

《気導士ギルド 龍王直属院》

として登録されることになった。


◇◇◇


その夜。


イグナスがふわりとナギの肩に降り立った。


「ナギさま……まさか、正式に直属院になられるとは」


「だってそっちが勝手に送りつけてきたんじゃない」


「ですが、自由診療のままでとは、前例が……」


「前例は、作るためにあるんじゃない?」


イグナスが目を丸くした。


「……さすがです。龍界の伝令部が倒れておりました」


挿絵(By みてみん)


「どんまい。肩に一本打っといてって伝えて」


その笑顔に、イグナスもつい苦笑する。


「──龍王さまに伝えておきます。

ナギさま、承認のうえ、マイペースに継続中と」


「うん。それで」


こうして、ナギの診療所はついに──


名実ともに“異世界初の気導士ギルド”として、

龍界の歴史に登録されることになった。


挿絵(By みてみん)←徹夜組


ご覧いただきありがとうございますm(_ _)m

毎週火曜日と金曜日20時に開院しております☆

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ