表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

1/34

序曲

お久しぶりですおーるぼんです!

新作スタートしました✨

広大な領土と豊かな自然を誇り、隣国に圧倒的な存在感を与える大国、オルストランド王国。


その王都レブレスに君臨する国王は老いに蝕まれ王事が困難となりつつあり、そう遠くない時機に譲位が行われるのではないかと国民の間では囁かれていた。



継承に値する者は二人いた。


いや、正しくは一人だと言うべきだろうか。




二人のうち一人は長兄であるベスカ王子。


ベスカは頭脳や剣技の腕も優秀かつ美男というまさしく才色兼備な人物であり、その上非常に珍しく強力なスキル『聖戦士』を授かった王位継承者に最も相応しいのではないかと噂されている男だ。



もう一人は王子よりも年が二つ下の娘、キジカ王女だ。


キジカは幼少期に虚弱であった事が原因なのか魔力を他者の半分程しか持たない。


また公にはされていないが、彼女は。

王が妾との間に作った婚外子であるのだ。


別に何も、それがいけないというのではない。

先にも言ったようにキジカの秘密それは公知の事柄ではないのだから。


問題なのはキジカが数年前に唯一であり強力な後ろ盾である母を失った事だ。


それにより彼女は適齢期を迎えた事で。

何と王女という身分であるにも関わらず、辺境伯の令息との結婚を本人の意思とは無関係に取り決められようかとしている真っ最中であったのだ。




そう、だからこそ。

王位継承者は『正しくは一人』なのだ。


民衆には二人に見えていたとしても。

キジカの周囲がそうさせるつもりは微塵もないのだから。



だが。

キジカが二十の歳に行われるスキル授与の儀。


サモンズの儀式(サモンズ・セレモニー)』にて優れたスキルを授かる事が出来れば。


彼女の未来は。


或いは…………






「……まあ。


そんな事はなかったんだけどね」


走馬灯の中にあった、不愉快な記憶を見たキジカは。

顔を歪め、そう呟くのだった。






キジカは今、国の南東にあるセルバ大森林の中にいた。


一国の王女であるにも関わらずそのような場所にたった一人でだ。


とは言え、最初からそうだったのではない。

護衛としてキジカが雇った数名の冒険者達は、つい先程起きた強力な魔物との遭遇により、彼女を置き去りにして街へと一斉に逃げ帰ってしまったのだ。


しかし、キジカはそんな彼等に恨み言を言うようなつもりも、責めるような気持ちなども一切無かった。


冒険者達かれらとキジカとの繋がりは何処まで辿ったとて『金』しかなく、そんな者達に命まで賭けろというのは酷な話であり。


それに何より。

誰であろうと目の前に自身の倍以上の体躯を持った魔物が現れたとなれば、逃げ出すのは至極当然の事なのだから。


そう、例えば今キジカの目の前にいる。


巨大な人型魔物、トロールのような魔物が……


『キジカ』

・オルスランド王国の王女、年齢は二十歳。

・金髪に青眼を持つ美しい娘であり、活発な性格をしている。

・しかし長年に渡り周囲を警戒しなければならないような立場にいたためか、ちょっぴり短気である。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ