チビ猫、ばらの花づくりに着手する
モデリングもこれだけやっていると、だいたいルーティーンができてきます。
ますは、ぐたいてきなモデリングのやりかたや、絵としての構図のつくりかた。
育て方 (育ち方)や、お花の構造などのじょうほうを、あつめていきます。
そのなかで、チビは『これ!』というイメージ・モデルをきめました。
「『マイガーデン』ってばらが、いいかなっておもうの。
すっごく『ばら』ってかんじだし、かわいいし。
それにね、いま、みんなに人気の品種なんだって。
だからこのかたちにしたら、みんなが「あっ、ばらだ!」って思ってくれるはずだし!」
コットンのようなやさしい質感のはなびらと、つやてりのある大きめの葉っぱをもつこのばらを、どうやらチビは、ずいぶん気に入ったみたいです。
「半剣弁高芯咲きタイプ、ナイスチョイスですにゃ。
『バラ』といってイメージされる気品がありつつも、クールすぎないいわゆる『かっこかわいい』タイプですにゃ~」
そういうマリーさんに、チビはねつべんします。
「でしょ、でしょ?
あのね、さいしょはちょっととがったかんじなんだけど、咲きすすむとまるっこくなってくんだって、とくにまんなかが!
なんか、かわいいよね!」
「それはおもしろいとくちょうにゃ!
それで、いろんな咲きっぷりをつくってみるのかにゃ?
そのへんはたぶん、ジオメトリーノードをつかえばできそうにゃけど……」
ミーコさんの問いかけに、チビはぷるぷるとくびをふりました。
「うーん……それはまだちょっと、むずかしいかも。
でも、ジオメトリーノードではなびらをならべるのは、できそう!
それで、いいかんじのさきかげんのをいっこつくって、またいろんな色にするの。
『マイガーデン』はピンクしかないみたいから、あくまでモデル、でことで!」
そう、ブレンダーの『ジオメトリーノード』を使うと、植物をいろんな育ち方にできたり、するようなのです。
けれど、父の日まで、そんなによゆうはありません。
とりあえずは、わりとふつうに、モデリングしていってみることにしました。
さいわい『マイガーデン』は、わりとすっとまっすぐ立って、てっぺんに1輪、花をつけるタイプのばらです。
そのあたりでも、つくりやすいお手本といえました。
おはなのおおきさは、13~15cmくらい。
がくは5枚。
はなびらは、40枚以上もあるそうですが、そこはあるていど、まんなかのところにきゅっとつまってるというかんじにしましょう。
めしべとおしべもいっぱいあるようですが、これだけ花びらがおおいとみえないので、今回もあえて、つくらないことにします。
さて、それでは作りやすいよう、花びらのグループわけをしてしまいましょう。
ふわっとひろがる『いちばんそと』が、五枚。
ちょっとひかえめな、そのうちがわが、また五枚。
かなりひかえめな、さらにうちがわのが、五枚。
これで、15枚です。
のこりの25枚、5層ぶんは、まとめてまんなかでくるっとなってるかんじとします。
こころのモデルにさせてもらったばらの画像をよーくみて、なるべくシンプルなイメージを、あたまのなかにえがきます。
そうしてまずは、まんなかでかわいくつぼんだあたりを、つくりだしてみるのです。
まずは、10頂点の球をひとつだします。
(大きさはデフォルトの1mのままでだいじょうぶ。あとでなおします)
気分をあげるため、かわいいピンクの色をつけたら……
今回も、『スムーズシェード』『サブディビジョンサーフェス』で、つるつるに。
いちばんてっぺんの頂点を、プロポーショナル変形つきできゅっとうえにひっぱって、ぜんたいにしずくのような、たまごのような形にととのえます。
いちばんてっぺんの頂点は、ここでけしてしまいます。
そうしておいて、3ライン分だけ、上から下まで『分離』。
やわらかくまるまった、はなびらパーツをきりだします。
『サブディビジョンサーフェス』のおかげで、さきっちょのすみっこがかわいくまるまるので、それだけでかなり『はなびら』です!
このパーツを、ジオメトリーノードをつかって、いつつ、まるくならべます。
(こないだやってた『配列&十字エンプティくるり』をつかわない理由は、あとでおはなしします)
以前にもおせわになった、CGBOX さんの『【Blender3.1】シーンを彩る!花の作り方・表現方法』をみながら、まずはひとつこしらえます。
もととなるはなびらの原点を、はなびらのつけねとなる頂点に移動したら、オブジェクトモードでちょっと、わきにどけときます。
はなびらのかずとおんなじ、五つの頂点をもつ円(「はいちよう円」となづけます)をワールド原点につくります。
この、『はいちよう円』にモディファイア『ジオメトリー』をつけます。
ジオメトリーノードのなまえは『ばら中核』としましょう。
そうしたら、ジオメトリーノードを組んでいきます!
3Dビューポートのところに、ジオメトリーノードエディターを表示。
まるっとまねっこで、ジオメトリーノードをせっていします。
オイラーをベクトルに……は検索ででてこないのですが、ここにあります。
ノードをすっかりつくりおわって、もういちど3Dビューポートを表示したら、こうなりました。
左にどけてあるのが、もとのはなびら。オブジェクトモードでいじる分には、位置を変えても問題ありません^^
ジオメトリーをせっていした円をスケールツールでちぢめると、五つに分身したはなびらが、きゅっとまんなかにあつまりつつ、はなびらそのものも、小さくなります。
この円 (とはなびら)をコピペしては、大きさをかえて……をくりかえすと『おなじようなかたちで重なりあいつつ、おおきさはかわっていく』八重咲きのはなびらたちをつくることが、できるのです。
(もっとうまいひとはコピペじゃなくてもやれそうですが、今回はコピペでいきます)
まんなかがすこし、あいてしまいますが、これはほぼほぼ、問題ありません。
ひとつには、そこにはおはなのセンターである『子房』がくるからです。
この時点で、球をちょっとたてにのばし、いろをつけて、つくってしまいます。
花びらにつつまれた内側になる上半分くらいは、うすく、きいろにちかい色にします(というのは、まんなかぶぶんをはなびらもりもりにしても、ちょっぴりあいだからみえてしまうことがあるからです)。
とはいえ、このままだとさすがに、すかすかすぎるので……
左にどけてあるもとのはなびらを、編集モードで大きくします。
すると、みぎがわのジオメトリーでつくったはなびらも、かたちがかわるので、いいかんじになるまて変形します。
(このとき子房はうもれちゃうので、あらためて下にずらしてかおをだします。)
そう、まんなかがあいてても問題のない理由のもうひとつは、こうして後から、ちょうせいができるからです。
(※もし、さいしょからもっと花びらの間隔をちぢめたいときは……
いちどモディファイア『ジオメトリー』を外し→円の大きさを調整(スケールをかえたなら『適用』をわすれずに)→あらためて『ジオメトリー』をつけ、さきのジオメトリーノード『ばら中核』を選択するといいです。)
そうしたら、あたらしい『コレクション』をつくって……
はなびらをならべるための基準として作った『はいちよう円』を、そのなかにコピペ(セットで、もとのはなびらもコピペされてきますが、それでOKです)。
そしてその、あたらしい『はいちよう円』を、スケールツールでほんのすこし、小さくします。
ポイントは、Z (高さ)はほんっのびみょうにおおきくすることです(4、3層目はのスケールは1.01、よりうちがわの2、1層目は1.015にしています)
これだけだとわかりづらいですし、すこしだけ、いろをかえます。
『マイガーデン』のまんなかは、すこしアプリコット色をおびるそうなので、ちょっとオレンジ方向に、はなびらのいろもかえて……
そうそう、ちょっとだけ回転もしましょう。36度回転すると、ちょうどいいかんじにずれました。
よし、これなら、うまくできそうなかんじです。
それをかくにんしたチビは、ふたつの花びらに、0.0001mのソリッド化をつけます。
そうしたら、うちがわの花びらと、はいちよう円をもういっこコピペして、また小さくして……とくりかえして、五層の『まんなかぶぶん』をつくりあげました。
ここでいったん、お昼やすみです。
お次は、ひらりとひろがった、外側のはなびらをつくることにします。
まじにここまでしかできてないんじゃあ。
あと三日、なんとかなるのか、いやせんと。
花だけしかできないようならいっそ、お風呂に浮かべ……
………………うーん。ちょっとかんがえときます。
次回『チビ猫、父に贈るばらを咲かせる』6/15投稿予定です。
どうぞ、お楽しみに!