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チビ猫、天空の島(カフェつき)をつくりだす

 それは、二か月ほどまえのこと。

 タワーを流れ落ちる滝を、やっとつけた、その後のことです。

 チビはこう、みんなにいいました。


『このおみず、ずーっとおそらからおちてきてて、そこにちいさな島があって……

 ちょっとおちゃできる、カフェとかもあったら、きっといいよね!』

『えっ、このお水って、木からわいてきてるんじゃなかったんだね!』

『えっとね、えっと……そこまでかんがえてなかった』


 ヒロさんがおどろくと、チビはえへへとわらいます。


『にゅう、この親にしてこの子ありなのにゃあ……ほのぼのにゃあ……』


 そんなふたりに、マリーさんは『もえもえ』。

 ヒロさんのこんやくしゃで、チビの『おねえさん』であるミーコさんは、えっへんとむねをはります。

 そうして、びんわんマネージャーらしく、さらっと話をさきにすすめます。


『せっかくつくるんにゃら、タイミングはベストのをえらぶにゃ。

 夏は水中カフェがあるから、そのまえか、あとがいいとおもうにゃ』

『なつは花火が、あるから……

 そのまえに、もうオープンしてて、とくとうせきでみれると、いいかも!

 むりなら、お月見にはオープンしたい!』


 チビがいうと、マリーさんがはーいと手をあげます。


『それなら、梅雨の時期はどうですかにゃ?

 天気雨の虹が滝にかかって、エモいデビューになりますにゃ!』

『うわあ、いいかもー!』

『ちょいとまつにゃ、ふたりとも。

 六月はアプデが短期に集中するからけっこうヤバいにゃ。

 なんといっても、父の日のバラは難度が高いうえ、ぜったいはずせにゃいしにゃ』


 ミーコさんのことばに、マリーさんはおててふりふり、こういいます。


『にゅふふ。そこはそれ、完成まではしなくていいのですにゃ。

 滝にゲートをせっちして、天空の島にまでいけるようにすれば、とりあえずはオッケーにゃ。

 ツリータワーにしたって、おんせんにしたって、だんだんに育てて、そのようすをみていただいてるんにゃ。

 それこそ最初は空に浮かぶ島に、泉と川と、イスとテーブルとカウンターがちょちょっとある、そんぐらいでいいんじゃにゃいかと思いますにゃ~!』


 そのことばにみんな、うなずきました。

 水も、カフェのためのどうぐだても、いまは手元にぜんぶそろってます。

 ヒロさんが、はいはいっとちっちゃく手をあげます。


『それまで僕、カフェづくりのいろいろ、少しずつ、しらべてみてていい?

 チビが本物のカフェをみたい! ってときには、つれていくし!』

『うん、おねがいします!』



 それから、二か月。

 ヒロさんはチビたちのようすを見て、調べたことをすこしずつ、おしえてくれました。

 チビはそれをきいて、ときには『ペットOK』のカフェにつれてってもらったり、キャリーの中からそっとようすをうかがったり。

 そうやって、天空カフェのイメージを、かためていきました。


 げんじつのカフェとちがって、立地も予算も、かんがえることはありません。

 ひつようなのは、コンセプト、ただ、それだけです。


 チビがイメージする『天空の島』は……

 雲のうえ、おおきな空と、そこにうかぶものたちを、何にもさまたげられずにながめて、のんびりとできる、そんなところです。


 つまりは、だいいちのせっていとして、広大な『展望ワールド』です。

 そうするために、だいたんにも……

『カフェ』部分は、全体の1/4にしぼることにしたのでした。



 そうして、いま。

 ようやっと、天空島ワールドの作成にとりかかった、チビでしたが……

 どうしても、さけられない問題に直面していました。


『天空の島』からは、水が流れおちています。

 となると、泉と川を、作らなくちゃいけません。

 それと、カフェセットをおいて、くつろげるだけの平らなとこも、必要です。

 でも、これまでおせわになってきた南の島セットには、『これだ!』というものが、ありませんでした。


「テレイン……やるしかないのかな……?」


 チビは、こころぼそげにつぶやきます。

 テレインは、ユニティで自由に地形を作れる機能です。

 でも一年ほどまえ、ワークショップ『自分の島をつくろう!』で使ってみたときに、チビはギブアップしています。

 なぜって、ちょっとぎゅっとすると『バトルものアニメで、いつも主人公たちにこわされちゃってる、どーんとつきでた山』みたいなのばっかになっちゃうのです。


『これは、こねこにはむずかしすぎる。』

 そうかんがえて、今までふういんしてきたのです。


「だいじょぶにゃ。

 あれから一年、がんばってきたのにゃ。

 チビは、ぐーっと成長しているにゃ。

 それに……」

「ここには『ワールドづくりおたくねこ』がもういっぴき、おりますですにゃ~?」


 チビの迷いをたち切ったのは……

 むねをはったミーコさんの、ちからづよい声。

 そして、はーいと手をあげるマリーさんの、あったかなえがおでした。


「そうだね……うんっ。

 テレイン、やってみる!

 ごしどうよろしく、おねがいします!!」


 チビはもう、ゆうきひゃくばい。

 あかるいひとみと、はれやかなこえで、ぺこんっと、あたまをさげるのでした。



『さんしゅのじんぎ』のそろった、あたらしいシーンは、できてます。

 かりの地面のうえには、いずみとかわも、できてます。

 ですので、ここですることは、じめんに『テレイン』をおくことです。

『テレイン』は3Dオブジェクトのなかまなので、ヒエラルキーウィンドウを右クリックして、メニューから選んでだします。

挿絵(By みてみん)



「よっしゃチビどの、まずここでさいしょのポイントですにゃ。

『テレイン』でさいしょにするのは、大きさあわせですにゃ。

 インスペクターウィンドウに、『Terrain』コンポーネントがありますにゃ?

 ここにならんでる、いちばん右のボタンをぽちっとですにゃ」


 マリーさんのふかふかおててがさす先には、山とはぐるまがかいてあるボタン。

 これをクリックすると、『テレイン (地形)の設定』というタブがあきました。


「この『メッシュ解像度』のとこにずばり、『横幅』『奥行き』『高さ』がありますにゃ。

 ここをすきなあたいに変えるのですにゃ」

挿絵(By みてみん)



『横幅』『奥行き』を50と50に。

『高さ』も、とりあえず50にしましょう。

 これで、さいしょにつくっといた『かりのじめん』と、おんなじ大きさです。

 そこまでできたのをみとどけると、マリーさんはさきをつづけます。


「そしたらここで、テクスチャもセットしとくにゃあ。

 じゃないとまっしろしろで、なにがなんだかよくわからないしにゃ~」


 次におすのは、山と筆のボタン。

 プルダウンでえらぶメニューは、『Paint Texture』です。


「このちょいしたんとこに、いつもみたく『選択』ってボタンがあるからぽちっとして……

 チビどのがいいなとおもう『テクスチャ』をえらぶのですにゃ」


 ここは、いつもとおんなじかんじなので、こまることもありません。

 チビは、おかりしたアセットについていた、すなのマテリアルについていた、テクスチャをつかわせてもらうことにしました。

 たいようがわりのライトにてらされると、かなりまっしろで……

 くものせかいにうかぶしまのじめんに、ぴったりです!

挿絵(By みてみん)



「これでいいですにゃ?

 そしたら『かりのじめん』と位置をあわせて、じめんのぬりぬりをはじめますにゃ。

 ここでのポイントは、『ブラシサイズ』ややでかめ、『不透明度』かなりひくめでやると、わりかしのんびり、できるということですにゃ」

「そういえばチビ、ブラシサイズとかふとうめいど、ほぼほぼかえないでやってた……!!」


 なんと、うまくいかなかったげんいん、一つ発見です。

 マリーさんはやさしく笑います。


「さいしょはだれしもとおるみちにゃ~。

 なにかくそう、マリーさんもやらかしましたのにゃ」

「そうなんだ! よかった~!」

挿絵(By みてみん)


※『不透明度』というのは、どれだけはげしく盛り上がるorもりさげるかということですにゃ。Byマリーさん


 そんなふたりのうしろで、ひそかにミーコさんは『オーマイニャー!』とあたまをかかえていました。

 そう、あのとき、ミーコさんもチビといっしょにいました。

 そして、チビとおんなじように、うまくいかないげんいんが、わかっていなかったのです。


 でもマリーさんは、そんなミーコさんのことを、そっとやさしくスルーしてくれます。

 おりよくも、マウスの左ボタンクリックで地面ぬりぬりをやってたチビが、しつもんします。


「ねえねえマリーさん、たいらにするのは、どうしたらいいの?

 プルダウンの『すむーす』でぬりぬりしても、やっぱしすっごいでこぼこなの。

 ここにテーブルとかおいたら、がたがたしちゃう」

「そんなときには『Set Hight』ですにゃ!

 おんなじプルダウンにはいってる、これにゃ」

挿絵(By みてみん)



 マリーさんはちょいちょい、とメニューをいじって、みせてくれます。


「ここの『高さ』にすうじをいれて『ぬりぬり』すると、その高さでまったいらにぬりつぶしてくれますにゃ!」

「ほんとだ! すごいすごい!

 それじゃこうやって、なんだんかなかんじにして……」


 そこからはもう、まほうのよう。

 くつろげるアームチェア (タワーの二階からコピペしてきました。だから、おんなじようにすわれます!)とコーヒーテーブルをぽんぽんとならべて。


挿絵(By みてみん)


見やすいよう、光量を絞って撮影しました。


 しまのむこうはじのほうにも、アームチェアをぽつ、ぽつ、とおいて。

 おかしや、のみものをおいたたなを、どんどんおいて……

挿絵(By みてみん)




 あっというまに、『カフェと泉のある、ながめばっちりの天空の島』ができあがりました!



挿絵(By みてみん)


「ええと、チビ?

 これもう、完成じゃ、にゃいのかにゃ……?」

「ううん、まだまだだよ!

 くものうえだから、あめはふらないし、にじもみえないけど……

 まだまだ、よるになるしくみも、いれてないし。

 みずしぶきだせるようになったら、それもつけなくちゃだもの!

 あっ、いずみのとこに、タワーとのいききのギミックも、つけなくちゃ!

 それにそれに……」


 けっきょくチビは、あっというまに『あけしめできる、ケーキいれ』『もっていける、のみものとおやつ』『リアルタイムの影』まで実装してしまったのでしたが……

 これについては、つぎのおはなしにゆずることにしましょう。


Q:いつもなら二話に分けてるかんじだよね? どうして?

A:そんな自分が嫌になったのさ。


……というかうっかり作業し過ぎてもう一話増えもうした。

誰だっ、説明文に『お茶とお菓子はフリーでどうぞ』って書いとるからもってけるようにしようっと謎の使命感を抱きよったんは?! わたしだ――!!orz


などという茶番はさておき次回『日向、MovableItemつきオブジェクトが地面をすりぬける原因? を見つける(逆に全く動かない原因も)』6/7投稿予定です!

ここをクリアすれば、手を放しても浮かばないアイテムが作れます!

どうぞ、お楽しみに!!

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