インターミッション:ちょっと過去の、ある夜のこと
くさきもねむる、うしみつどきのこと。
チビのパソコンに、しずかにしのびよる、ちいさくかわいい、かげがありました。
かげはおててをそうっとのばして、パソコンのスイッチを……
「チビ~? なにをしてるのにゃ?」
いれようとしたところで、ききおぼえのあるこえがしてきました。
ふりかえると、そこにいたのは、となりでねていたはずの、ミーコさんです!
「えっえっえええと、そのね、なんでもないの!
ええっと、そうだっ、おといれにきただけだよ?」
いっしょうけんめい、うそをつこうとする小さなかげ、もといチビですが……
ざんねん、これ以上ないくらい、バレバレです。
「キーボードにおトイレをしたら『だいさんじ』にゃ?
いいから、いってみるにゃ。いったい、どうしたのにゃ?」
「あのね、……」
チビが言うには。
「けっきょく、ちまきとよもぎ、おかりできなかったでしょ?
だから、つくろうかなって……
よもぎは、むずかしいから、ちまきだけでも」
「ついかでつくるのは、いいにゃ?
でも、こんなふうにするのはだめにゃ。
じゅうぶんじゃにゃいか。
かしわもちは、おかりできたし、……
にゃんたまちゃんたちも、じゅうぶん力作だにゃ。
いいんだにゃ。ふつうにチビができた、せいいっぱいで。
じゅうぶんみんな、よろこんでくれる。
どうしてもどうしてもきになるなら、またいつか、つくろうにゃ。
ワガハイたちは、いっくらでも、おてつだいするにゃ?」
ミーコおねえちゃんのふかふかのむねにだかれて、そういってもらうと……
チビのなかには、はんせいのきもちがわきあがってきます。
「ありがと、ミーコおねえちゃん。
ごめんね、しんぱいかけて、むちゃしようとして」
「わかってくれればいいのにゃ。
さ、もうベッドにもどろうにゃ。ヒロさんやマリーにばれたら、きっとドチャクソしんぱいするにゃ」
「うん!」
こうしてチビは、やろうと思ってたいくつかのことを、ゆうきをもって、あきらめたのでした。
そしてそれは、このあとの予定も少し、変えることになるのです。
ここまでひたすら、ガッツでくいついてきたこねこは、またひとつ、つくり手としての成長をとげたのでした。
以前にも、みずしぶきや、ぷかぷかする菖蒲の葉なんかをあきらめていますが……
あきらかに、見えるもの、おいてあるもの『自体』を諦めたのは、ここが初めてです。
そんなわけで今後、メロンにゃんをはじめとしたにゃんたまちゃんをいくつか、あきらめることになりました。
実は、奇しくもこのタイミングでわたくしコロナにかかってしまい……
『ひるねこアップステア!』の作業じたいはおわっているものの、製作記をお届けすることが厳しい、という状況になってしまいました。
2日後までに回復がおっつかなかった場合、大変申し訳ございませんが『作者急病のため一時休載』とさせていただく所存です。
皆様にご心配をおかけすることになってしまい、心苦しくはございますが、一日も早い復活のためにも、今は療養に集中することといたします。
容態はそう苦しくない(現状一番イヤンなのはマスクがむしあついとこという……)ので、『日向のやつめいつもの猫風邪のすげめの食らったよしょーがねーなー(^_^;)』くらいのお気持ちでのんびりお待ちいただけますと幸いです。
乱文乱筆、突然のご報告とお願い、大変申し訳ございません。
これからも何卒、よろしくお願い致します。