インターミッション:チビ猫、マリーさんとひにゃさんの『立ち飲み酒場計画』についてきく
それは、ちょっとまえのことです。
マリーさんとひにゃさんは、ふたりでワールドをつくっています。
『ばすえかん』たっぷりの、日本酒立ち飲み酒場です。
オープンは「今年はやめ」ときいていたのですが……
「あの……マリーさん、ひにゃさん。
もしかして、チビのおてつだいしてて、たいへんになっちゃってる?」
もしかして? とチビは思います。
ゆうきをだして、きいてみると……
「ニャフッ?」
「そうじゃないにゃ、そうじゃないのにゃ。
ごめんにゃチビちゃん、気を使わせちゃって……」
かえってきたのは、おどろきのこえと、ぜんぜんちがうこたえでした。
マリーさんがいうには……
「おいしそうな食べ物をおだししてくれるワールドは、もうたくさんあるのですにゃあ。
それで、どうせなら、おさけがつげたり、りょうりもできたらにゃ~って、おもっちゃったのにゃ」
ひにゃさんも、こういいます。
「おさけのラベルも、季節とかで自動で変えたいにゃ~っても思ったんだけど、よく考えたらそもそも、びんそのものがちがうから、どうしよにゃってまよっちゃって……」
つまり、もっともっとと、よくがでてきてしまったのだ、ということです。
それをきいて、ミーコさんもためいきをつきます。
どうやらミーコさんも、ふたりの状況をうすうす感じ取っては、いたみたい。
「そういうことだったのかにゃ……
あのにゃ、そういうのはもっと、そうだんしてくれにゃ。
いまのわれわれはもう、ワンチームの仲間にゃ?
だからこそ、しんぱいかけたくない、ってきもちも、わかるけどにゃ」
「チビも、もっとふたりのちからになりたい!
もしこまってたら、おしえてほしいの。
いつもいつも、たすけてもらってるんだもの。チビも、おやくにたちたいの!」
「ふたりとも………………!」
「ぎじゅつたんとうにゃん」たちは、かんげき!
そして、チビとミーコさんに、もうちょっとくわしいとこを、うちあけてくれました。
「お酒のびんはもう、手作業でかえるっきゃにゃいとわりきる方向ですにゃあ。
けど、もんだいはラベルデザインにゃあ」
「画像データはスキャンしてあるけれど、そのまんまをだしたらさすがに著作権てきにヤバかろーし……
どのくらいぼやかしたら、パロディとしててきせつかも、ちょっとイマイチわからないにゃ。
われらには絵心ってものがそもそもないのでにゃ……」
マリーさんとひにゃさんは、おみみがぺしゃんとしちゃいます。
チビはえっとおどろきます。
「えっ、ひにゃさん、あんなすてきなねこちゃんラベル、つくれたのに?」
「アレは、ねこ神様のたまわったキセキにゃ。
いまだから白状しちゃうけどにゃ、アレにゃんこ部分は十数分でできたけれど、わんこ部分とかは優に小一時間以上かかったにゃ。
にゃんこからパーツを流用したにもかかわらず、まったくバランスが取れなくってにゃ」
「そうだったんだ……!!」
マリーさんがそっと、ほそくします。
「前もいったかもしれにゃーけれど、ひにゃはねこ関連のこと『だけ』能力値がバグるのですにゃ。
だから、ほかは正直きびしいのですにゃ」
「そうなんだ……」
すると、ミーコさんがこんなことをいいだしました。
「じゃ、全部猫パロディラベルにしちまったらどうにゃ。
それもむずかしいなら猫ラベル専門の酒場にしちゃうとかにゃ」
「みゅ……!!」
ひにゃさん、だいぶココロがうごいてるみたいです。
「それもやべーならいさぎよく無料アセットおかりしてしまえばいいのにゃ。
あのカウンターみただけでも、酒ビン以外の部分はそうとうバンバンかりてるにゃ?
すでに主力はあるんにゃから、あとからだんだんふやしゃいーのにゃ。
あいてない酒場に、のみには来れないにゃ!」
「うぐっ!」
けいきよくハッパをかける、ミーコさんのことばは、大きくひびいたみたい。
ゲームふうにいうならば「クリティカルヒット」です!
ひにゃさんはさっそく、自分の世界に入り始めてしまいました。
ここはほほえましくそっとしてあげて、おはなしはもうひとつのほうにうつります。
「それじゃあ、もいっこのほうもきいてほしいのにゃあ。
『鍋ふり』とかのアニメーションがないのにゃ。どうすっかとおもってるにゃ。
mixamoさんは見たしユニティアセットストアとかもさがしたのにゃ。
でもお料理をする動きのアニメーションは、結局みつからなかったのにゃ。
アニメーションをオリジナルでつくるとか、さすがのマリーさんでもとてもできる気がしないのにゃ」
「ふーんむ……たしかにアニメーションをつくるのはむずかしそうにゃ。
人間にはほねがいっぱいあるからにゃ……」
「みなさーん、お茶がはいったわよ。
ついでにわたしも、ちょっとアイデアいーい?」
「いえす、まーむ!」
と、そのとき、チビのおかあさんがやってきました。
もちろんチビたちは、いいお返事でぱっとたちあがりました。
おかあさんがみんなを案内してくれたのは、お台所。
にんげんのすがたにばけて、調理台の前にたって、お料理をしているときのポーズをいくつか、してくれました。
「ほとんどのポーズって、調理台やコンロのうえに手をこう、もってきて、いろいろするのが多いじゃない?
だからこんなポーズさえみつかれば、あとはらくちんだとおもうの。
でね、鍋ふりとにてるんじゃないかなって思うのは、「あくしゅ」をする動きなの」
「あくしゅ……!
たしかにそれなら、片手だけ出して、手もにぎってるし、高さもいいし、へんに足とかもうごいてにゃーし……!!」
マリーさんがつぶやきます。
するとミーコさん、しゅばばばばと、手に持っていたスマホでけんさくけんさく。
すぐに笑顔で、画面をみせてくれました。
「あったにゃ、握手のうごきのはいってる無料アセット。
あとでこれをためしてみるといいにゃ!」
「ふおおお!
クラスターでは座ってる間もエモートは出せるにゃ。つまり上半身の動きは常にアニメーションでうわがきができるはずだからそれで腕をフリフリすればいいにゃあ〜!
そうときまったらお茶にしましょうにゃあ!
ありがとうございますにゃママ上殿。ミーコもありがとうにゃあ!」
「どういたしまして♪」
「お礼の品は、アニメーションがぶじできてからいいにゃ♪」
ミーコさんのじょうだんめかせた言葉に、チビのおうちの台所は、明るい笑いに包まれたのでした。
作中で言及しているアセットは、ユニティアセットストアにある、
gizmozman さんによる『Everyday Motion Pack Free』です。
試すのが楽しみです^^
お手てフリフリについては、先日『お昼寝クッションでねころび中に、指ハートをつくったお写真』の投稿をいただきまして、これだー! と思ったのです(ありがとうございます!!)。
アバターをアニメーションさせる機能ももう正式版になっているし、いずれはアニメーション作成チャレンジしなければ! なのですけれど、できるところはラクしたいのです(力説)
次回は『日向、今度はまわるステージをぶっ壊したんだって?』4/25投稿予定です!
どうぞ、お楽しみに!