インターミッション:チビ猫、八月コフレをふたつに分ける
「うーん………………」
たのしいひなまつりの、よくじつ。
チビはもう、八月ぶんコフレのじゅんびにとりかかっていました。
といっても、今日はパソコンのまえで『しあんなげくび』。
ひたすらにゅうにゅう、うにゃっています。
「これをあれして……うーん……それとも……うにゅにゅにゅ……」
けっこうこれで、こたえをみつけちゃうことも、このごろはおおいのですけれど……
きょうはどうにも、難航してるみたい。
ころあいをみはからって、ミーコさんとマリーさんが、やさしく声をかけます。
「チ~ビ?」
「どうしましたにゃ、チビどの? にぼしたべますかにゃ~?」
「あっ、おねえちゃんたち!
うん、にぼし、たべる!」
マリーさんからにぼしをうけとり、ぽりぽりぽり。
おいしそうにたべおわって、くちもとをかるく『こしこし』すると、チビははなしだしました。
「あのね。いまかんがえてたのは、はちがつぶんのコフレのこと。
というか、『迎え盆』のこと。
これだけ、ちょっとたつと自動で日がくれるから、むずかしいかなって。
べつにしちゃうのも、手だけれど……
そしたらつぎの『送り盆』は、どうしようって」
「にゃるほど、あれにゃ……」
じつは『迎え盆』のときのツリータワーは、2024夏のお題特集『夏はやっぱり花火・祭りだよね』のときに、ピックアップをしてもらったことがあるのです。
だからぜひ、『迎え盆』はデフォルトにしたいところです。
でもこれは、八月のイベントとしては、さんばんめです。
さらにはなしをむずかしくしているのが、そのあとの『迎え盆』もまた、おんなじようにきりかわるのですが、こちらは昼(というか、ゆうぐれ)から夜の切り替えが、手動なのです。
八月最初の『花火祭り』、つぎの『山の日』には、そういうとくしゅな動きがないので、いいのですが……。
にゅーんとうなって、ミーコさんはいいます。
「使う空セットやパターンがちがうし、『花火&山』と『お盆ふたつ』で分けちゃったほうがいいかもにゃ……。
マリーはどう思うにゃ?」
「マリーさんもそれがいいとおもうにゃ~。
そうそう、ひとつかんがえたんにゃけど、あのときは『デフォルト状態の夕空がみたいなら、再入場』だったにゃ?
それを、しつらえ切り替えでやれるようにすると、らくちんべんりでいいとおもうにゃ~」
マリーさんのていあんに、チビのおみみがぴん、とたちます。
「ええっと、それっていうと……
『しつらえのきりかえをやると、よるだったときも、とりあえず夕日になる』ってので、いいんだよね?」
「マリーさんてきには、そんなかんじですにゃあ。
もちろん、チビどのが『こうしたい』ってのがあれば、そっちでいいのですにゃ」
「……うん、そっか、そっか……
それでやってみる!
それだったら、せつめいぶんも、そんなむずかしくならなそうだし!
ありがと、おねえちゃんたち!!」
つづいてしっぽも、ぴんっとはねます。
「うみゅうみゅ、おやくにたてたなら、なによりですにゃあ♪」
「『せつめいぶんがむずかしくなる』ってことは、ややこしい、ってことだからにゃ。
そこはだいじな視点にゃ。
ちゃんとわかってて、チビはえらいのにゃ!」
「えへへっ。ありがと!
よーし、そうときまったらさっそくはじめちゃおう!」
ミーコおねえちゃんにほめてもらって、チビはさらに、ルンルンです!
げんきひゃくばいで、作業にとりかかりました。
今月の下旬に、チビはこの家をでます。
ミーコさんはヒロさんのこんやくしゃとして、ここにのこりますが……
マリーさんも、ひにゃさんとルームシェアをはじめて、やっぱりおひっこしのよていです。
ちょっぴりさびしくなっちゃいそうですが、きっと、だいじょうぶ。
いざとなったらご近所どうし、ちょちょっとはしっていっちゃえば、すぐにおかおが見れるのです。
スマホだって、パソコンだってあるから、いくらもおはなしはできるし……
もしも雨がふっちゃったら、ワールドで会う、ってことだって、もちろんオッケー。
それでも、チビのおとうさんは、こういってくれました。
『みなさんいつでも、うちにいらしてください。
おしごとで、ふたりともでてしまう日も、どうしてもあるので……
チビが信頼するみなさんに、おそばにいてもらえると、とてもありがたいのです』
おかあさんも、にこにことこんな提案をしてくれました。
『ヒロさん、会社帰りに、うちにお寄りになってはいかがです?
ミーコさんをお迎えにいらっしゃるついでに、ばんごはんもご一緒いたしましょう』
さすがに、それは申し訳ないです、とごはんのおさそいはお断りしようとした、ヒロさんでしたが……
『ミーコさんに『はなよめしゅぎょう』がてら、うちを手伝ってもらうお礼ですわ!』
とさらにおされて、「それって、それでいいんだっけ?」と、こくびをかしげつつも……
『ヒロさんにいらしていただけると、チビもよろこびますから!』
おとうさんからの『えんごしゃげき』で、こころをきめて。
『あの、それでは、ミーさんがおじゃましてます日だけ……。
あと、僕たちのぶんの食費はお入れさせてください!
それと、なにかお買い物してきてほしいものがあったら、僕買ってきますので!
えんりょなく頼んでくださいね!』
そんなふうに『こうかんじょうけん』をだして、ありがたくごちそうになることをきめた、ヒロさんだったのでした。
次回は『チビ猫、あの日の花火をうちあげる!
』3/9投稿予定です。
同日、コフレ<夏まんきつ>もリリース予定です。
どうぞ、お楽しみに!