表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

テーマ詩集:体育倉庫

ボール

作者: 歌川 詩季

 球技好きです。

 まるっこくて

 どこにころがってくかも わからないくせに

 あいつはたいてい ゴールをめざしてる


 右のコートに攻め入ったとおもったら

 くるりと きびすをかえして

 左のコートへと カウンターを狙う

 切り替えの早さを見せてみたりもする


 ゴールがどこにもないときも

 ひとの手から ほかのひとの手へと

 (つな)がろうと飛んでくし


 そうでさえないときだって

 投げられたり はじかれたりしながら

 より速くだったり より鋭くだったり より遠くだったり

 あいつは なにかを どっかをいつもめざしてる


 まるっこくて

 どこにころがってくかも わからないくせに

 あいつのハートは 矢印みたいに

 なにかを どっかをいつだってめざして

 さんかくにとんがってるんだ


 あんなに まるっこくて

 どこにころがってくかも わからないくせに

 ほんと なまいきなやつ!


 ぼくは 利き腕をおおきくふりかぶると

 あいつをどっちでもない方向に

 ほうり投げてやったけど

 あいつにしてみれば そっちこそが

 さんかくにとんがった ハートの矢印が

 むいてた その方角なんだって

 まるっこい笑顔を見せるはず


 ほんと なまいきなやつ!


 ごんどは 利き(あし)をおおきくふりあげたら

 あいつをどっちでもない方向に

 蹴り飛ばしてやろう

 ひとりだと、あんまりできませんけど。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点]  さんかくにとんがった矢印のハート。  意思が強そうです。  取りようによっては、どっちつかずの優柔不断にも思えてしまうのに。  きっとどこかをめざして見えるのは、見ているぼくもどこかを…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ