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思い上がり

 おれに才能があるのか

 それとも無いのか 

 よく分からない

 仮にあったとしても

 才能の上に

 あぐらをかくような

 マネだけは

 したくなかった

 

 おれはかつて

 成功するなら

 若ければ若いうちの方が

 良いと思っていた

 結局おれは

 50歳を迎える

 この歳まで

 成功はしなかった


 その間にも

 おれはいろんな経験が出来た

 もしも若いうちに

 成功していたら

 おれは思い上がって

 いたかもしれない

 

 思い上がりは良くない

 おれはむしろ

 これからの

 残りの人生に

 賭けている

 

 若いうちから

 大成功して

 お金持ちにでも

 なっていたら

 おれは思い上がって

 平気で人を

 傷つけて

 いたかもしれない


 おれは苦労もしたし

 人の気持ちを

 大事に出来る

 人間に

 成長したと

 自分では

 そう思っている

 今ならば

 成功しても

 バチあたりなことを

 しなくて

 済むような

 気がする

 

 思い上がりも 

 良くないし

 人を傷つけるのは

 もっと良くない

  

 おれはそんな人間に

 ならずに良かったと

 そう思っている

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