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書斎

 親父はおれと同様に

 自分で原稿を

 今でも時折

 書いている

 もともと若い頃は

 本を出して

 ベストセラー作家に

 なることを

 夢見たほどだった


 けれども結局

 鳴かず飛ばずで

 終わってしまったが

 夢を諦めたのと

 引き換えに

 自分なりの

 考えだけは

 原稿に書いて

 残してやろうという

 意欲だけは

 年老いた今でも

 持ち続けた


 そんな親父は

 自分用の書斎があれば

 良かったのになあと

 お袋を相手に

 そんなことを

 話していた


 もちろんおれの家庭は

 貧しい方で

 自分専用の

 書斎を持つゆとりなど

 全く無かった


 でもおれも

 かつては

 親父と同じく

 自分専用の

 書斎代わりに

 部屋を一軒

 持つことを

 夢見ていた


 今でも

 もちろうん

 書斎を持つだけの

 おカネなんか無いが

 その代わり

 ブルートゥースの

 キーボードと

 スマホ一台あれば

 出先のどこでも

 おれだけの書斎になった


 すべてが自分が夢見たのと

 全く同じとは

 いかなかった

 その代わりに

 違う形で

 おれの夢は

 実現した


 しかし問題は

 この後だ

 うまくいくのであれば

 早いうちに

 うまくいって欲しい

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