刺青の男
おれが高校生の頃
ちょうどロックバンドの
ローリング・ストーンズの曲を
夢中になって
聴いていた
最初に聴いたアルバムは
ストーンズのヒット曲の
集大成とも呼べる
「リワインド」というタイトルの
ベスト盤だった
おれはその当時
カセットテープが
ヘロヘロになるほど
繰り返しそのベスト盤を聴いた
その中に
収録されていた
「スタート•ミー•アップ」
「ハング・ワイアー」
「友を待つ」
この3曲は
どれも気に入った
3曲とも
アルバム「刺青の男」から
シングル•ヒットされた
曲だった
おれはそこで
オリジナル・アルバムである
「刺青の男」を
全体通しで
聴いてみたくなった
しかしその頃は
CDの黎明期で
CD一枚買うにしても
とても値段が高く
おれが両親から
もらっている小遣いでは
とても足りなかった
おれは一人で
足繁く
あちこちの
CDショップを
金もないのに
練り歩いていた
そこの店前で
おれは「刺青の男」のCDを
手にとって
アルバムジャケットを
しげしげ眺めながら
「こいつはいったい
どんな曲が
入っているんだろうか?」
と想像力を
フルに働かせていた
おれの青春時代は
お金も友達も無く
こんな感じだった




