197話 11才 太陽編
前世は卒業式に出ていなかった。
卒業式の一週間前、母と俺は卒業式に使う服を探しに行っていた。
だが、その買い物の途中で晴ちゃんを見つけた。
お互いは関わろうとはしない関係だった、と俺は思っていたが、
その時の晴ちゃんの悲しそうな顔を見て、ほっとけなかった。
俺は今お母さんが来るのを待っていたベンチに書き置きを残して、晴ちゃんを追いかけた。
途中まで、尾行出来たが、完全に見失ってしまった。
晴ちゃんの声が聞こえた。
そっちの方に向かうと、
!!
晴ちゃんが、暴力を振られている。
「やめてよ!お兄さん」
「いや、だってさ、これが俺の毎日だから」
最近の晴ちゃんを怖く感じていたが、それよりも恐ろしい存在が、晴ちゃんを傷つけるてるようだった。
俺は、晴ちゃんにされた事を思い出す。
だけど、俺はほっとけなかった。
ウッ、、晴ちゃんはいつもこんなのを受けていたのか、、、
「よ、、、ようちゃん!」
「晴ちゃん、、」
「悪い、当たっちまった。」
そんな、軽く、、、
「今度はしっかり、晴に当たるから」
「、、」
「よ、ようちゃん」
珍しく、心配してくれてるのかな、普段はお兄さんの立場なのに
「おまえ、なんでそんなにわざとあたってくんだよ」
「人が痛がるところ見るのが嫌だから」
「つか、お前、噂の太陽だろ。みんなのおもちゃ」
おもちゃか、、
「ウッ!!」
痛い。また叩かれた。
「やっぱり、晴の言うとおり、言われっぱなしだな。お前は」
そうだね
「ほんとに、おまえを見てると、」
「腹が立つ」
次、次と叩かれる。
晴ちゃんは後ろで怯えて座っている。
結局相手が疲れるまで叩かれた。
「なんで、なんでやり返さないんだよ」
むしろ、怒られた?
「や、や、りかしても、変わるわけじゃない。
俺は変えられる力はない、ただ体張って守るだけ。
傷つけても、自分が傷つける人間として一人増えるだけ」
胸ぐらを掴まれる。
「、おまえ、はなんてそこまで、アイツを守るんだよ、
虐められてんだろ、今のように沢山叩かれたんだろ」
、、、、苦しい
「やり返したいと思わねぇのかよ」
俺は今までを振り返る。
けど、答えは変わらない。
「俺は人を傷つくのが嫌だから」
「自分をもっと大切にしろよ」
さっきからお兄さんは何を焦っているんだろうか、
「大切だよ。自分のことが一番大切」
「じゃあなぜ、」
俺はみんなのように、得意なこととから趣味とかもない。
けど、俺は
どこかで聞いた優しいあの言葉を思い出す。
(いつまでも、自分を大切にしてね)
「俺は人に優しく出来る自分が好きだから。」
「なんだコイツ」
「ねぇ、お兄さん、ほんとは晴ちゃんと仲良くしたいんじゃないの?」
「そんなことは」
「叩く時、目を瞑っていた。だから俺に当てたことも気づかなかった。」
「だからなんだよ」
「それは、晴ちゃんの傷つく姿が見たくなかったから」
!!
「それに、ずっと、晴ちゃんのことを見て、心配そうにしてる。」
「心配してるわけないだろう、そもそもそうしたのは俺だから」
「俺はなんとなく分かるんだよ。そして、さっきの話、ほんとはやり返されたいんだ」
!!「なにをいってんだよ」
「俺知ってた、晴ちゃんの家で、晴ちゃんがずっと酷いことされていることを。ここまでとは知らなかったけど、、
ただ晴ちゃんから、昔お兄さんは酷い事ばかりをする人だと聞いていた。」
「そうだ、そんな奴だ」
「だけど、晴ちゃんから聞いたことがある。
最近はお兄さんばっかりが私を責めるって」
「!!」
「さいしょのビンタ、あれは手加減されている。痛かったけど、そのあとの拳や蹴りの方が遥かに痛かった。」
「お兄さんが晴ちゃんを攻撃することで、親から攻撃をされない、するのはお兄さんがするようになった。」
「なんで、そんなことおもう」
「アニメで見たから!」
「、、、、、、、は」
「アニメで見たから」
お兄さんはポカンとしている。
「、、、あってるよ」
そしてお兄さんは上着を脱ぐ、
晴ちゃんは驚いてる。
傷が沢山あった。
「そう、再婚して、晴が妹になってから、嫌なことがあると、晴にあたるようになっていた。そして、当時、親にも嫌なことがあったら晴を叩いてストレスを解消しろと言われていた。」
もうだいぶ昔アニメでお兄さんの話題を出して、初めて話をした時を思い出す。
「でも、俺も年を取り、考えが代わり、叩かれた泣き続ける妹に同情をしたんだ。」
晴ちゃんは驚いた顔をして聞いている。
「ほんと、何様だよなって感じだよな。散々傷つけてといて、
俺は、間違いを犯しすぎた。そして、俺は一度だけ言った。
もう妹を攻撃するのはやめようと」
「だか、親はそれなら、妹はどう育てるのと、応えた。
俺は自分の今までの行いを思い出し、これが我が家の日常になってることに今更気がついた。」
、、、
「そこで、俺は親に頼んだ、妹の躾は俺がやるから、妹に当たるのは俺にしてくれと」
体に大量の傷とやけどの後もある。
「俺はずっと、償いたかった。妹に責められてたかった。」
「やり方が、強引すぎる、叩かないで、素直に気持ちを話すべきだったよ。」
それが素直に出来ない暮らしをしてきたんだろうな。
「そうだよな、、そうだよ」
幾らか年上の人が狭間ついて泣く光景は印象が強かった。
「俺は、許されない事ばかりをした。」
「ようちゃん」
久しぶりに名前を呼ばれた。
「この後のことは見ないで欲しい」
「わかった。」
そして、俺はいつの間にか、少し離れた所で倒れていた。
「面白かったらブックマーク、下の評価よろしくお願いします!」
最近伸び悩んでいます。
あらすじと題名を変えるかも知らないです。




