172話 10才 ちーちゃん視点
私はいつからか、ずっとゆうきくんに抱きつく癖があった。
ゆうきくんに抱きつくと心があったまる。
ゆうきくんは面白くて、優しくて、私のことをいつも褒めてくる。
毎日遊んでる、保育園からずっと仲良し。
ゆうきくんのことが大好きだった。
でも、ゆうきくんはみんなが大好きで、みんなもゆうきくんが大好きだ。
なんだか最近はモヤモヤしちゃう。
ゆうきくんを見ていると恥ずかしくなっちゃう。
これをクラスの女の子に相談した。
「ねぇ、それって好きってことなの」
「大好きだよ」
「うーん、その大好きではなく、恋愛的に」
「え、、、」
「いつもさ、ゆうきくんと仲良く抱きついてるけど、ちーちゃんって見るからにゆうきくんのことが好きなのはわかる。ただ、保育園からずっとやってると、聞くし、恋愛的なのか、友情なのかあんまり分かんないだよね。どうなの?」
「考えたことなかった。」
私はその瞬間頭に流れる。
(ちーちゃんって可愛いよね)(ちーちゃんとぎゅーすると気持ちいいし、匂いがいいんだよね)
私は昔の忘れていたすっごい昔を思い出した。
そうだ、あの時から好きだったんだ。
よくお母さんが言ってた、王子様を見つけたと思った。
「あっ、ちーちゃんぎゅーしよ」
私は恥ずかしくなった。
「今日はいいや」
私は初めてぎゅーを断った。
「え、、、、、、えっえ、え、え、え、え、ええ」
そのあとちょー落ち込んでるゆうきくんを見て申し訳なかった。
そして、やっぱりすごくぎゅーしたかった。




